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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

続いている大陸欧州での一般の金購入ブーム

2009年05月20日 23時36分35秒 | 金市場
さて本日ワールド・ゴールド・カウンシルから2009年1-3月期の需要データが発表された。前回の時もそうだったが、今回も発表を心待ちにしていた。なぜなら昨年秋、金融危機の嵐が吹きすさぶ大陸欧州で猛烈な投資用金貨と小口地金の需要が巻き起こり在庫が欧米で払底するということがあったからだ。そのブームが一過性なのか否かということを数字で見たかったのである。年始以降も大陸欧州では金貨が売れているという話はあったが、金ETFの激増に関心が向かってしまい、情報は少なかった。

今夜そのデータを確認したが、1-3月期に世界でもっとも投資用の地金や金貨を購入したのは、なんとドイツだった。インドでも中国でもない。前年同期の11.8トンから59トンへ400%の伸び率。2位はスイス。前年の7.3トンから39.2トンへ437%の伸び。元の数字が小さいので率にすると何百%もの伸び率になること自体が、劇的な変化を表すといえる。金にはほとんど見向きもしなかった地域でのこの現象は、如何に金融危機が個人投資家というより市民といった方がいいような人々に影響を与えたかということだろう。

ちなみに米国も8.7トンから27.4トンへと216%の伸びとなった。もともと金貨や金地金より金鉱株ファンドなど有価証券に向かうのが米国だが、実物資産への資金流入増加もまた一連の金融危機を経た結果といえるだろう。すなわち、今回の金融危機を経たことで欧米の個人投資家の間で金が投資対象として「認知」されたと当方は受け止めている。機関投資家の間では、すでに金ETFを通して認知が進んでいたといえる・・・・・否、こちらもまだまだこれからということか。

ちなみに金貨と地金に関して1-3月期のインドは-17トンすなわち17トンの売り越し、中国は16.1トン、日本は-1.0トンすなわち1トンの売り越しとなった。

1-3月の金のスポット価格の平均値は908.41ドル。大陸欧州で注目すべきは、この期間ユーロが対ドルで売られていたということ。つまりユーロ建て金価格は過去最高値の更新を続けていた時期でもある。高値を厭わず買い進むだけの動機が存在したわけだ。身近なビッグネームの金融機関が政府の管理下に入ったり、ユーロの先行きに懸念が出たり、かつての逃避通貨スイスフランに対する信認が低下したり・・・と背景を考えれば片手に余る。

日本時間の明朝3時に発表予定の4月のFOMC議事録の内容、とりわけ量的緩和の先行きの方針についてどのような話し合いが持たれていたのか、当方の関心事。いまこの時間帯にスポット価格はレンジ上限を抜けて940ドルに乗ってきた。

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2 コメント

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損切り (ナニユエ)
2009-05-21 22:04:10
ここ3日で株式はすべて損切りしました。 しばらくキャッシュポジションで置いときます。 そーとー損したみたいで計算もしたくありません。goldはすこしずつ買い増していこーと思っています。goldがよいと思っても株の痛みで一歩目が出ません。とほほ
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とても賢明な判断です。 (ライラック)
2009-05-22 18:55:42
株で儲けた経験のある方はなかなか逃れられないのによく決断したと思います。立派です。
その判断が正しかったと思える時が早晩訪れるはずです。
さてGoldですが、儲けようと思って買うのはいかがでしょう?買って現物で眺めたり、触れたりして楽しんで下さい。数年後には相当な損も減っているはずです。多分ね。
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