亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

明日の雇用統計の前哨戦

2013年09月05日 17時42分30秒 | 金市場

昨夜は取りたてて材料のない中を白金系まで含めて貴金属全般が売られたたが、いろいろ理由は付いて来るが、結局は米金融政策のペースダウンを背景にしたファンドの売りが商いの薄いところで出されたことで下げ幅も拡大したものと思われる。プラチナ、パラジウムなど8月の米国の新車販売が良かったにもかかわらず売られたのは、やはりここまでの上昇要因に南アでの供給障害(の可能性)が材料として乗っていることを思わせた。後は米国は良くても(ヂーゼル車の主要市場たる)ユーロ圏の不振が影を落としたもの。

上院外交委員会がシリアへの限定的な軍事行動を認める決議案を可決したが、上院は元々民主主導ゆえに動きも早かった。共和党の有力議員マケイン上院議員の反対が目を引いた。来週の上院本会議でどうなるか。そのまま行くとして、問題は下院。共和党保守派ティーパーティは反対に回るとされているが、下院議員の70%が現時点で態度保留状態とされている。足元の金価格に乗っている“シリア・プレミアム”の規模は、1400ドル超の部分が該当したと思われるが、問題はFRBの政策転換の織り込み度。事ここに及んでは縮小策の実施の有無ではなく、いつどの程度で着手され、その際の市場の反応はどうなるかに移行している。結局、ちびちびと減らしてゆくのは、利下げから利上げに転じた過去の経緯からも明らかで、いまはその心理的動揺がマーケットのボラに投影されているということで先日は、幽霊の正体見たり枯れ尾花・・・・としたが、果たしてどうなるか。

今夜は第一木曜日ゆえに雇用統計前夜祭というか前哨戦のようなもので、恒例の「ADP民間雇用者数」の発表。さらに毎週の新規失業保険申請件数。それにISM非製造業景況指数がある。

昨日発表のベージュブック(地区連銀経済報告書)は、相変わらず成長はしている、しかしペースは緩やかというものだったが、このところの長期金利の上昇がやや影を落とし始めている点が目についた。


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