亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

再び叩き落された金(インフレ耐性?米消費者センチメント)

2021年10月27日 20時32分31秒 | 金市場

昨日は前日に1800ドル大台を引値で維持したことから、「通常取引開始後に期待が持てそうだ」と書いたが、結局、NY金は叩き落とされることになった。

相場の流れとしては、先週末10月22日の再現のような流れとなった。 NY時間外のアジアのスタート時は買いが先行する形で1810ドル手前まで上値を伸ばしたものの、それ以降は徐々に売り優勢の流れに転じることになった。前日比マイナス圏ながら、それでも1805ドル前後の水準でロンドンからNYの通常取引入り直前まで横ばいで推移していた。昨日はこの時点で更新。

ところが通常取引に入ったところで売り圧力が強まり、1800ドルを割れる水準まで売られた。多少の抵抗はあったものの、1800を下切ることが明らかになると、売りがさらに膨らむことになったのは、前週金曜日に見られた流れと同じ。テクニカル要因によるモメンタム・トレードを引き込んだとみられる。下値は1783.00ドルとなったが、ここから反発となり終盤は1795ドル前後での取引に移行し、そのまま終了ということに。終盤の展開も前週22日と似たものとなった。再び仕切り直しということに。

7~9月期の企業決算が本格化している米国では、ここまでのところ予想を上回る内容が目立っている。それを映し、米国株の主要3指数は再び過去最高値更新という流れに復帰している。 夏場の新型コロナ・デルタ株感染拡大やエネルギー価格の上昇などコスト増から、当初は決算内容が懸念されていた。実際にPPI(生産者物価指数)なども急伸していた。そうした懸念を払しょくする内容となっている。ここまでのところ、コスト増を企業は製品価格に転嫁できているようだ。ということは、消費者はインフレ高進を実感し、負担感も増していることになる。

この点からも注目されたのが、この日コンファレンス・ボード(CB)が発表した米消費者信頼感指数だった。10月は113.8と、前月の109.8から予想に反し上昇となった。上昇は4カ月ぶりとなる。物価の上昇にかかわらず、労働市場の見通し改善や新型コロナ感染が一段落したことが消費者信頼感の回復につながったとされるのだが、確かに結果はそのようになっている。指数の上昇は個人消費の先行きに期待を持たせるものとして読めるので、たしかに株価の押し上げ要因ではある。ちなみに、今後12カ月のインフレ期待は7.0%と、9月の6.5%からさらに上昇している。

住宅関連の指標も発表されたが、価格の高騰が話題だが新築住宅は、それでも比較的高水準の販売を維持している。しかし、売れ筋の低価格帯(20万ドル以下)の物件はほとんどなく全体の2%にとどまる。格差の広がり、2極分化を思わせるもの。9月に販売された新築一戸建て住宅のうち、約74%が未着工、もしくは建設中というのも驚く。パウエル議長が指摘するように「未だ失業者は多い」、しかし人手不足という、過去にない環境。舵取りは難しい。。

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