連邦債務上限切り上げと財政赤字削減を巡るオバマ政権と野党共和党の話し合いは平行線のまま週明けも決着がつかなかった。本日午前に現地時間午後9時(日本時間午前10時)からオバマ大統領がこの件で国民に向けた演説を行うとホワイト・ハウスが発表した際には、何らかの妥協が成立したのかと思われた。
演説が始まって直ぐに合意に至っていないことが判明。
合意が成立しなければ米国は一部の債務でデフォルトに陥りかねないと警告。そうなれば「クレジットカードや住宅ローン、自動車ローンの金利が急上昇し、米国民には大幅な増税をもたらすことになる」とした。しかし、そのトーンは共和党批判だった。発言を抜粋すると、「民主党と共和党の両党は赤字や債務の課題に取り組む責任がある。共和党が歳出のみの取り組みに固執している。下院共和党は均衡の取れたアプローチの検討を拒否している。妥協に達すると確信している。米経済は共和党の要求の人質だ」となっている。
一方の共和党サイドにも。もちろん言い分はある。ベイナー下院議長は「大統領は歳出で白紙の小切手を求めている。大きな政府は米国民の活力を阻害している」とした。
まわりは・・・というより市場はデフォルトは常識的には考えられない、したがって妥協するだろう、というスタンスで見守るのみ。金価格は1610ドル台でホバリング状態で次の展開をジッと待っている。仮にデフォルトの可能性が高いと読んだ場合、この水準より上に位置していることだろう。市場もその忍耐を試されているような感じだ。この先、値が跳ねればその後の調整の際の下値も切り上がることになるのではないか。
ギリシャへの2次支援が決まったユーロ圏では、25日は格付け会社ムーディーズ・インベスターズがギリシャ国債(長期債)の格付けを3段階引き下げ「Ca」とした。この水準は「債務不履行(デフォルト)」ランクのひとつ前にあたる。先週末の支援パッケージを巡り、格付け会社による「(制限的)デフォルト」への格下げは想定済みといえるが、この動きを受けてユーロ圏ではスペインやイタリアの国債が改めて売られ、金融株の下げが目立った。この動きは本日も続いている。ドイツなど国内世論を考えて、欧州金融安定化基金(EFSF)の増額問題には蓋をしたまま事を進めたため、市場(投機筋)に足元を見られたのかもしれない。互助会資金を使った「債務軽減措置はギリシャだけ」・・・・というわけには行かないのではないか。
膠着状態のまま推移中。