亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

サマーズは次期FRB議長候補を降りたとWSJ

2013年09月16日 23時43分46秒 | 金市場

週末金曜日のNY金は大幅続落でNYコメックスの先物価格は前日比22.0ドル安い1308.60で通常の取引を終了。しかし、引け後の時間外取引では、商いの薄いところを少し買いが出たことから、30分ほどで1327ドル近辺に値を戻して終了と言うことになっていた。

シリア攻撃の可能性はロシア提案を飲み、粛々とシリアの化学兵器を国際管理下に置いた後で処分(廃棄)するとしたことで大幅後退。変わってメイン・イベントのFOMCでの資産買い取り縮小の有無に市場の関心は移る中で、先取りする投機的な売りに金価格は急落。しかし、一方で押し目買いの動きもあり、急反転で1週間の取引を終えていた。日本が休みの本日の海外市場の動きも、ここまでのところ、いったんは売られたものが買い戻されるという流れになっている。

さて先週末に日経は13日金曜日の夕刊トップで「FRB議長サマーズ氏」の見出しで、オバマ大統領が議長に元財務長官のローレンス・サマーズ、副議長に財務次官のラエル・ブレイナード(女性)の両氏を指名する方向で最終調整に入ったと伝えていた。

一方で、16日付のWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、サマーズが議会での指名に際し反対の意向が強いことを察して候補から降りることになったと報じている。FRB議長は大統領が指名し、議会上院が承認して初めて決定するが、サマーズに関しては民主が過半数を制する上院でも反対意見が見られていた。特に本会議に掛ける前の上院銀行委員会でも3名の民主党議員が反対の意向と伝えられていた。その辺りの雰囲気を察してということらしい。ともすれば周りを友人すなわち気心の知れた人物を配置しようとの傾向が強いとされるオバマ政権にとてって、(報道が正しければ)個人的に信頼を寄せているサマーズ氏のステップ・ダウンはシリア軍事攻撃の方針展開に続き、誤算といえるだろう。サマーズに関しては、もともと議会は難色を示すのではと予想されてきた。ちなみに私が直近の書籍でバーナンキの次として書いたガイトナー前財務長官については、(オバマが考える)候補の一人であるものの、本人が辞しているとWSJは伝えている。果たして、どうなるか。


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