亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

小幅縮小で実行、あるいは見送り

2013年09月18日 20時39分15秒 | 金市場

FOMCの声明文を控え市場は一応は様子見ながら、思惑先行の仕掛け的な小競り合いが起きている。金市場の方は1300ドルに接近していたことから、1300割れを試す動きが出るのではと市場を見ている人間なら誰しも思ったろうが、その通りになった。それでも流れとしてはやはり様子見。

政策の事前予想もいろいろ出ているが、100~150億程度減らすというところに集約されているようだ。過去の政策転換のやり方を踏襲するならば、規模をかなり小さくして一応実行するというもの。したがって米国債50億減らすというような転換の仕方の蓋然性が高いのではないかと思う。FRBは市場の過剰反応を警戒している。

昨夜発表された8月の米CPI(消費者物価指数)が前月比0.1%プラスと3ヵ月ぶりの低い伸びとなった。物価の上がりにくい状況つまりディスインフレを懸念事項として挙げる連銀関係者もいたと思うがバーナンキ議長は一過性でありそのうち上がり始めるとしていたのは春のことだった。今朝「インフレ率の低さで金は売られた」という海外通信社の市況を目にしたが、あまり関係なかったと思う。むしろこの結果から、超低金利環境の持続を担保するようなデータといえるので、長い目で見て金にはプラスの話ということになる。

午前中に書いたのだが、外部要因としては、シリア問題と米国の10月から始まる2014会計年度の予算案と連邦債務上限引き上げ問題がある。これらは不透明要因としてFOMCの判断に影響を及ぼす可能性のあるものだが、シリア問題は外交的解決に委ねられたいま軍事介入を巡る不透明感は低下した。

財政問題については、法案成立の前提として共和党が、追加の歳出削減策を要求すると見られており、仮にその要求が通ると当座の景気にはマイナス要因となる。FOMCの判断としては、その辺りをどう見込むのか迷うところだろう。政治要因ほど不確かなものはないからだ。バーナンキ議長が気にする部分でもある。それらを重視すれば、今回は見送りということもあり得るということ。仮にそうなれば金はショートカバーラリー。

どっちにしても明朝は、発表直後はアルゴリズムのフラッシュトレードで荒れそうだ。声明文に使われる単語までインプットされている世界。どうなるか。。

今夜は月がきれいだ。
明日はルーティーンの市況以外に明朝の結果を見ての原稿が2本と夕刻は17時からの日経CNBC「デリバティブ・ワールド」に登場予定。

そういえばインドがまた輸入関税を上げて10%から15%にした、ゴールド・ジェリーに適用。国内産業保護という名目を前面に出した輸入規制。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本番はこれから | トップ | 我々は成長に関して過度に楽... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (fairlane)
2013-09-19 16:40:32
先生おっしゃるとおり、フラッシュトレードによりケツを蹴り上げられた様に1360ドル台ですね。。。

ちょっとこれはついてはいけない。。。
返信する
Unknown (亀井)
2013-09-19 23:28:35
確かに常時ウォッチできる環境でないと無理ですね。ウォッチできても難しい。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事