亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

混乱は避けられまい

2013年09月24日 22時49分51秒 | 金市場

個人的にはともかく、今月のイベントで市場関係者の間でサプライズとなったのがシリアの化学兵器使用問題が当面は外交的決着となったこと。さらに先週のFOMCにてTapering(資産買付け額の段階的減少スタート)が見送られたこと。言うまでもなく、この2点が最たるものだが、細かいものでは先週金曜日の地区連銀のひとつセントルイス連銀のブラード総裁の発言もそれに含まれるだろう。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えるところでは、Tapering見送りの採決は「わずかな差で決まった。(10月末の次回会合で量的緩和策を)やや縮小する方向に傾けることはそれほど大変ではないだろう」としたと。

この発言に前日の見送りムードで反発した金市場始めNY株も冷や水を掛けられるような形で反落となったのは、市場内に“送られても、いずれ近い将来の実施は固い”との見通しがあることによる。それが翌日に示されたことが効いた。ただし発言自体はバーナンキ議長が記者会見で述べた内容と同じで、経済指標次第であって、(経済見通し付きでない、すなわち記者会見のない)10月のFOMCでも記者会見はできる旨の話はバーナンキ議長がしていたはず。ブラート発言の報道を読んで???だったのは、決定が実は僅差だったんだ・・・という下り。これは得票数ではなく判断としては・・・・ということだろうが、そもそもこうゆう内容は、後に議事録で公開される類のものではないのか?今年FOMCの投票権がある人もない人も、いろいろしゃべるので、それだけで市場が混乱している状況だ。

FOMCの統一見解というかたちで議長が発表しているわけで、その背景にある様々な意見は議事録要旨で公開されるということであって、“我が思い” 直後から述べられても市場は戸惑うばかりでなく投機的な動きをするため市場の不安定さにつながるというマイナス面が大きくなっていないか。

これでは、次の議長の時代に混乱が拡大するのは避けられまい。行きはよいよい、帰りはこわい。こわいながらも、やるしかないばら撒き。なぜなら、それは足元で正しい政策だからだ。しかし、それが災いするのが金融経済。神様も時の流れの中で疫病神になったりする。だから金のようなものが残ることになる。

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