今回のFOMCにて当初見込みの50bp(0.5%)から75bpへの利上げ幅拡大を一気に市場は織り込むことになった。
やはりWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の記事は、情報発信ができないブラックアウト期間内に起きた、政策内容に変更を迫るデータの登場に対し、急いで手を打ちたいFRBの意向を受けたものとの解釈が浸透することになったようだ。
14日にNY金は続落となり一時1806.10ドルまで売り込まれ、通常取引は1813.50ドルで終了。時間外取引は1809.80ドルで終わっていた。強気の引き締めが予想されるFOMC前にNY金は安値を付けるというのが、経験則の教えるところでもある。FOMC(イベント)通過後に反発というパターンが多いことによる。今回は、これだけ直前にドル指数と10年債利回りが急伸したことから、先日も書いたが昨日までの下げはファンドのロボットトレードが作ったものなので、あく抜けとともにカバー(ショートカバー)の反発となるのではと思っている。
さてFOMCだが、仮に75bpの上げを決めたとして7月の同じペースで進めるのか否か。今回は参加者による経済予測が示されるが(いわゆるドットチャート)、金利見通しやインフレ率の見通しがどうなるか注目される。景気を過熱も冷やしもしないとされる「中立金利」はどの水準に落ち着くのか。インフレ抑制に明らかな効果が見られない場合には、議長はじめFRB執行部は中立金利を越えるところまで政策金利を引き上げる方針を示していることから、注目点となる。それは先行きのFRBの財務にも関わる要素となるだけに大いに注目している。
FOMCの結果発表前に今夜は、5月の米小売売上高の発表を控える。ミシガン大学消費者信頼感指数が50.2と1952年発表開始以来の最低に沈んでいただけに、個人消費がどうなっているか気にかかる。それとも来月発表分に影響が出るのか。
本日は夕刻に「亀井幸一郎のゴールド・ボイス」ポッドキャスト版を収録しており、これから22時以降くらいには公開されると思われ、アクセスしてみてください。FOMCについて語りました。既に登録済みの方には告知が届くと思います。