本日は米6月の消費者物価指数(CPI)の発表が控える。ここまで2カ月上振れで材料になってきた指標でもある。4月は前年比4.6%の上昇、5月は5%の上昇と予想を大きく超え○○年ぶりの表現が続いた。半導体の供給不足から自動車生産が滞り、中古車価格が前年比で29.7%、ガソリンが56.2%上昇などイレギュラーな要因が多く、総合値が大きく上振れた。
6月の市場予想では前年比で5%上昇と、5月と同様に2008年8月以来最大の伸びを維持するとみられている。特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比4%上昇と5月の3.8%上昇から伸びが拡大し、1992年1月以来で最大を記録する予想になっている。
新型コロナ禍からの経済の復活過程で、押しとどめられていた需要(ペント・アップ・デマンド)が噴出したところに、供給障害(サプライチェーン問題)もあり、供給不足が一気に高まり、価格を押し上げている。一般的には時間の経過とともに需要は通常ペースにならされていく。誤算があるとすれば、供給障害の回復に時間がかかることにある。現時点で回復が遅れているようで、この点が、物価高進は一時的としているFRBにとって気掛かりなところだ。
これから発表されるの6月の数値が予想を上振れるとなると、ふたたび市場でのインフレ観測の高まりということになるが、個人的には予想値をやや下回る程度かと思っている。週明けNYの午前半ばに、金市場ではややまとまった売りが出て15ドルほどストンと値が落ちる局面があった(1791.00)。すぐに買い戻され、下げ幅を上回る反発となり1805ドルを越えるところに復帰した。おそらくCPIの上振れを読んでの売りが出たものと思われる。
今週は明日14日からパウエルFRB議長による2日間にわたる上下両院での半期に1度の議会証言が予定されている。すでに主な内容(テキスト)は先週末に議会に提出されているが、議員との質疑応答が注目になる。12日はNY連銀のウィリアムズ総裁は、FRBが「一段と顕著な進展」があるまでは量的緩和策を維持するとしている点について、この基準に「現時点で達していないことは明らかだ」とした。
また同じ日、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、債券購入を段階的に縮小できるほど労働市場は回復していないとの見方を示した。同総裁は就業率(全人口に占める労働者の比率)が59%を超える必要を訴えている。現在は58%で新型コロナ前の水準は61%になっていた。
おそらく日本中で多くの人が見たと思われる今朝の大リーグホームラン競争。大谷選手はほんと野球が好きで、真摯に極めようとしている気概がひしひしと伝わってきますねぇ。あの屈託のない言動もいいですね。
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