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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

どう読むか?分かれる見通し 

2021年07月12日 22時57分42秒 | 金融市場の話題

先週は米10年債利回り、つまり米長期金利の動きが市場の注目を集め、米国株にも影響を与えた。

6月16日のFOMC後に下げトレンドが生まれた利回りは(価格は上昇トレンド)、6月下旬から下げピッチを速めた。7月8日にかけて8営業日連続の低下で1.25%と2月以来の低水準にまで下がったが、9日には1.36%へと急反転となった。

今年の3月に米国経済の正常化加速観測とそれにともなったインフレ懸念もあり、米債市場ではファンドによる金利先高見通しの取引(リフレトレード)が膨らみ売りが加速、10年債利回りは急騰していた(NY金は1カ月で6.6%下落)。その折の売りは先物市場での空売りで、6月下旬以降その買戻しによる取引解消が価格の上昇(利回りの低下)につながっている。いわば取引の巻き戻し(リワインド)が起きていた。したがって、この取引が一巡すると、長期金利の低下も一巡するという見方がある。その一方で、下半期の成長率の減速を読み、長期金利は年初に想定されたほど(年末2%)には上がらないとの見方が生まれている。

今週は本日12日に10年債380億ドル、13日に30年債240億ドルの新規入札が予定されている。金利水準が低下したことで、入札結果にどう影響を与えるか。市場予想では需給から価格が下がる、つまり、いったん、ここで金利は反発するという見方がある。思うのは、そうした反発はあろうが上昇トレンドにつながらないだろうということ。高成長を思わせる動きが当面続くであろう米国だが、はやり最大値は当面出し切ったのではないかと思う。

ただし、来週から本格化する企業の業績発表は、“結果論”なので強い数字が出ると思われる。それを見て株式市場がどう反応するか。INDEXベースで過去最高値を更新中ゆえに、織り込み済みとするのか、さらに期待を高め高値追いとなるのか、興味深い。

今週は今後を見る上での判断材料となる経済指標やイベントが続く。まず13日に米6月の消費者物価指数、翌14日に同生産者物価指数が予定される。14日は米連邦準備理事会(FRB)が地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表する。この内容は、27日、28日に予定されている次回連邦公開市場委員会(FOMC)の討議の材料となる。また、パウエルFRB議長は同じ日、下院金融サービス委員会で、15日には上院銀行委員会の公聴会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言を予定している。

 

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