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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

物価、賃金ともに上昇鈍化でNY金は反発

2023年07月31日 20時40分25秒 | 金市場

先週末7月28日のNY市場の金価格は反発となった。この日発表された経済指標が、インフレ圧力の高まりを示さなかったことから、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが継続するとして前日に高まった過度な警戒が和らいだ。

前日に4%を超え、この日もNY時間外に4.041%まで上昇していた米長期金利が、終盤に向け低下し3.954%で終了。前日は1950ドル割れまで売り込まれていた金市場では、買戻しの動きがみられ反発となった。米2年債、7年債、10年債、30年債の利回りは、いずれも前日に2週間ぶりの高水準を付けていたが、この日は全般に水準を切り下げた。

またドルが対ユーロなどで下落したことも、ドルの代替投資先とされる金の買い手掛かりとされた。NYコメックスの通常取引は、前日比14.70ドル高の1960.40ドルで終了した。

 

NY金はテクニカル上、1940ドル近辺がサポートゾーンとなり、先週は売り込まれたもののこの水準を維持したことから、米経済の堅調さなどを織り込んだ上で見せた反発を、強気のシグナルと捉えることができるとみる。

 

なおNYコメックスの金価格は、この日から中心となる取引が8月物から2023年12月物に移行した。

4か月分の金利を勘案する形で8月物に対しプレミアムが上乗せられた取引となるが、この日の12月物の終値は前日比14.70ドル高の1999.90ドルとなった。8月物は先に書いたように1960.40ドルなので39.50ドルもの開きがある。3カ月物TB(短期国債)の利回りが5.410%にもなるので、プレミアムがかさ上げされ2000ドル大台に接近することになった。

 

米商務省が28日発表した注目の6月の個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は、前年同月比で3.0%上昇し、伸び率は2021年3月以来、2年3カ月ぶりの低水準だった。5月は3.8%上昇していた。 一方、FRBが注視していることで知られる変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数(コアPCEデフレーター)は前年同月比で4.1%上昇し、伸び率は21年9月以来の低水準となった。4.2%上昇の市場予想を下回った。5月は4.6%上昇していた。前月比では0.2%上昇と、市場予想(0.2%上昇)と同じだった。5月は0.3%上がっていた。 さらに6月は基調的な物価圧力も緩和していたことが明らかになった。

パウエルFRB議長が賃金インフレの動向をみる際に重視する指標のひとつに、雇用コスト指数(ECI)がある。この日発表された4~6月期分は、前期比1.0%の上昇と1~3月期の1.2%から伸びが鈍化し、市場予想の1.1%上昇も下回った。

この2つの指標の結果から28日の市場ではFRBの利上げサイクルの終了が近づいているとの見方が強まった。

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