亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

利上げは織り込み済み。それでも発表当日、翌日には一度は売られる金

2017年03月06日 20時35分38秒 | 金市場

注目の3日のイエレン議長の講演。「今月のFOMCで、雇用とインフレがわれわれの予想に沿って引き続き進展しているかどうか検証する」とし、進展していれば引き上げる公算が大きいとした。議長は同じ講演で、自身の議長就任以来、初めて国内外で差し迫った問題が見当たらない状況とも話した。つまり、3月は引上げますと言っているに等しい。最後の通過点が、来週10日の雇用統計だが余程下振れなければ利上げということになった。

講演内容には、前日のブレイナード理事と重なる内容もあり、FRB執行部(理事)を中心に地区連銀総裁にも根回しした、利上げ織り込ませキャンペーンは終わり、明日からFOMCを前にしたblackout(発言自粛) 期間に入る。

同じ3日にイエレン議長に先行して講演していたフィッシャー副議長が、このところFRB関係者が市場への織り込ませを意識した発言をしてきたことを示唆する発言をしていた。さらに、「将来の景気動向に重要な他の事柄という点では、比較的短期間のうちに顕著な変化が数多く起こった」としたところをみると、先月末からにわかに3月利上げ方針に舵を切ったとみられる。

3月利上げ観測を一気に高めたのが、ダドリーNY連銀総裁、ウィリアムズ・サンフランシスク連銀総裁の発言だったが、これが3月1日のこと。その前日の夜にトランプ大統領初の議会演説に臨み、目新しい何かがあったわけでもないにもかかわらず、無難にこの場を乗り切ったことを市場が好感し、株式市場は再び過去最高値の更新を連日続けたが、このことがイエレン議長の背中を押したのだろう。

NY株式市場の場況に「利上げ観測の高まりが株価を押し上げ」というものもあった。一般的には、金利上昇は株式市場には悪材料となる。それを、“景気見通しがいいからこそ、FRBは金利を上げようとしている。だから、株は買い”という解釈となっている。

つまりこのタイミングを逃さず引上げ出来る時に上げておこう。それは「今でしょ!!」という判断。株高に象徴される強気センチメントにFRBは便乗することを決めたわけだ。

イエレン発言が伝わった直後は、金市場も上下に振れが大きくなったが、結局通常取引終了後に買われたのは、目先の材料出尽くしということだろう。おそらく15日に利上げが正式に決まると、ロボット(コンピュータープログラム)が金の売り注文を出すとみられるので、その翌16日の下げが拡大する可能性がある。しかし、その押し目を買い拾う向きもあろうから、下値は限られると思われる。ただし、経済見通しや議長の記者会見で、利上げペースの上方修正などが発表されると、厳しいことになりそうだ。



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