今週は米国で3月の雇用統計が発表されるイベント週にあたる。ところが発表日の4月2日はイースター(復活祭)の休日でNY市場は休場で取引は行われない。今週の注目は、その前にバイデン政権が週中に発表すると見込まれている、3兆ドル規模のインフラ投資案がある。財源の一部に増税策を持ち込むのではと、警戒されている法案となる。
もちろん成立の過程は容易ではないだろう。すでに足元で1人当たり1400ドルの現金給付をコアにするレスキュープランが成立し実行中となっている。財政調整法を使い、民主党単独で成立させたもので、インフラ投資も同じ方法で成立可能かというと、そうはいかない。米国の法案については、党の意向よりも個人の判断に投票が任されることから、個々の議員が判断を下すことになる。現時点でトランプ前政権時代に、凍結状態にした連邦債務上限法だが、7月末に喪が明けるというと語弊があるが、効力が戻る予定になっている。つまり、国債発行に上限枠が復活するわけで、できればその前に成立させたいとの思惑も政権サイドにはありそうだ。予算規模が大きいことから、必然的に新規国債の発行だけでまかなうには無理があるということで、法人税のみならず富裕層への増税やキャピタルゲイン課税の強化などが導入されるとされる。
もっとも、やっと追加財政支出により立ち直って来つつある経済ゆえに、ここで増税を打ち出すことで、織り込み不足と思われる株式市場がネガティブに反応し、大きく値を崩すことで景気に影響を与えるということもありえる話ではある。バイデン政権としては、政策上の各種選択肢を検討済ということだろう。民主・共和両党ともに、来年の中間選挙を念頭に置いた動きを取り始めており、個別の議員もまた民主党案に乗るか否かも含め判断を迫られることになる。米国では、個別議員のそれぞれの法案に対する賛否の履歴が残り、有権者に公開されている。今回のインフラ法案は、そのような超党派の意見を汲む形でまとまるのか否か。今週中に発表されるなら、市場の反応を含め、見もので、内容次第では流れを変える可能性もありそうだ。
足元の金市場では、金ETF(上場投信)の解約売りが続いている。本日調べたらワールド・ゴールド・カウンシルのデータでは、3月19日時点で月初から世界全体で84トンの減少となっていた。これは2月1カ月を上回るもので、このまま行くと2月を越えるETFの残高減ということになりそうだ。にもかかわらず、先週末までの時点で、金価格の下値が堅かったのは、年初からの値下がりでアジアを中心とする実需買いが入っていることがあるとみられる。
本日は、「亀井幸一郎のゴールドボイス」にそのあたりのことも盛り込んだので、語り口を聞いてもらえればと思います。
以下が、リンクのURLです。
https://anchor.fm/goldstreet1

もちろん成立の過程は容易ではないだろう。すでに足元で1人当たり1400ドルの現金給付をコアにするレスキュープランが成立し実行中となっている。財政調整法を使い、民主党単独で成立させたもので、インフラ投資も同じ方法で成立可能かというと、そうはいかない。米国の法案については、党の意向よりも個人の判断に投票が任されることから、個々の議員が判断を下すことになる。現時点でトランプ前政権時代に、凍結状態にした連邦債務上限法だが、7月末に喪が明けるというと語弊があるが、効力が戻る予定になっている。つまり、国債発行に上限枠が復活するわけで、できればその前に成立させたいとの思惑も政権サイドにはありそうだ。予算規模が大きいことから、必然的に新規国債の発行だけでまかなうには無理があるということで、法人税のみならず富裕層への増税やキャピタルゲイン課税の強化などが導入されるとされる。
もっとも、やっと追加財政支出により立ち直って来つつある経済ゆえに、ここで増税を打ち出すことで、織り込み不足と思われる株式市場がネガティブに反応し、大きく値を崩すことで景気に影響を与えるということもありえる話ではある。バイデン政権としては、政策上の各種選択肢を検討済ということだろう。民主・共和両党ともに、来年の中間選挙を念頭に置いた動きを取り始めており、個別の議員もまた民主党案に乗るか否かも含め判断を迫られることになる。米国では、個別議員のそれぞれの法案に対する賛否の履歴が残り、有権者に公開されている。今回のインフラ法案は、そのような超党派の意見を汲む形でまとまるのか否か。今週中に発表されるなら、市場の反応を含め、見もので、内容次第では流れを変える可能性もありそうだ。
足元の金市場では、金ETF(上場投信)の解約売りが続いている。本日調べたらワールド・ゴールド・カウンシルのデータでは、3月19日時点で月初から世界全体で84トンの減少となっていた。これは2月1カ月を上回るもので、このまま行くと2月を越えるETFの残高減ということになりそうだ。にもかかわらず、先週末までの時点で、金価格の下値が堅かったのは、年初からの値下がりでアジアを中心とする実需買いが入っていることがあるとみられる。
本日は、「亀井幸一郎のゴールドボイス」にそのあたりのことも盛り込んだので、語り口を聞いてもらえればと思います。
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