「もう1期FRBの議長を務めたいと思っていたし、それを明確にした。だから再任されなかったことに本当に失望した」。これは先週末の発言で、発言の主はイエレンFRB前議長。ここまでの発言は、これまで流れなかったのか、初めて心情を吐露したのか。いずれにしてもトランプ大統領には、再任してもらいたい旨の意思表示をしていたことが判明。その上で、指名されたのはパウエル理事(当時)だった。
やることはやった的な退任で、トランプ大統領の下でのやり難さなどから、どちらかというと自ら身を引いたのかと思っていたが、違った。
過去何度かセミナーで取り上げたので、参加され記憶されている方もいると思うが、「FRB議長のアノマリー」というのがある。2期8年を含む長期政権の後を引き継いだ議長の任期中に、何らかの金融経済上のトラブルが起きるというのがそれ。確たる理由や背景を指摘できないが、不思議と起きる。だからアノマリー。
ボルカー議長(8年)の後を受けたグリーンスパン時代の初っ端に「ブラック・マンデー」。18年6ヵ月にもわたったグリーンスパンの後を受けたバーナンキ時代は、「リーマンショック」が炸裂。そして、バーナンキ8年の後を受けたイエレン時代にも何かが起きるだろうと思ってみていた。そして、それは超がつくばら撒き策からの正常化つまり出口戦略の過程での何らかの混乱であろうと。より具体的には、供給されたカネの量からして、何らかのバブルに関連したものだろうと・・・。
先週末、そして週明け5日の過去最大の下げ幅となった株の暴落は、パウエル新議長の下ではあるが、実質的にイエレン時代に起きたともいえるもので、やはり今回もアノマリーが現実化したと思っている。
6日のNY株式市場を見て思うのは、実体経済は好調につき、まったく問題はアリマセン!、早晩、落ち着きを取戻し上昇トレンドに復帰・・・・・とは、そう簡単に行きそうにはないのではということ。確かに、自己勘定でレバレッジを利かせてオフバランス(簿外)などで手広く張っている金融機関はないのかもしれない。したがってリーマンショックのように金融システムを揺るがすような騒動にはならないのかもしれない。しかし、これだけの値動きが起きれば、どこかで大きく傷んだ投資主体がいるわけで、いろいろ表面化するのではないか。
6日のNYダウの567ドル高は自律反発であり、戻りの鈍さが意識されると、下げはこれで終わらないだろう。1月30日のここで「桐一葉、落ちて天下の・・・」と題して、日経が1面で記事にした「iPhine X(テン)の生産半減」の記事が、株式市場の変調のシグナルになるのではとの意味合いで書いた。知る人ぞ知る相場師、故石井久翁(「独眼竜」)の「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」は、何らかの兆候から、その後の大変動(≒暴落)を予言したとされる。
いずれにしても株式市場にはヒビ(Crack)が入った。そのひび割れにさらに楔(くさび)を打ち込み裂け目を大きくすることで、大きな利益を生み出そうと狙う投資家もいる。国際情勢さながらに戦乱の世が株式市場にも。ボラティリティは必然的に上がる。“カネ余りをベースにしてきたAIロボットトレーディングバブル” の綻びを止めることが出来るのか否か。
ひび割れた市場センチメントが、ここまでの資産効果で押し上げられてきた個人の消費マインドを冷やし、ピークに達している可能性のある景気の転換を早めるのかもしれない。
本日、発表が予定されている12月の米消費者信用残は過去最高を更新しているのだろう。17年ぶりの低失業率の下で米国の消費者が目いっぱい借金を膨らませた昨年のクリスマスは、史上最高のクリスマス商戦ではなかったか。これもばく進してきた株価の資産効果の表われ。
やることはやった的な退任で、トランプ大統領の下でのやり難さなどから、どちらかというと自ら身を引いたのかと思っていたが、違った。
過去何度かセミナーで取り上げたので、参加され記憶されている方もいると思うが、「FRB議長のアノマリー」というのがある。2期8年を含む長期政権の後を引き継いだ議長の任期中に、何らかの金融経済上のトラブルが起きるというのがそれ。確たる理由や背景を指摘できないが、不思議と起きる。だからアノマリー。
ボルカー議長(8年)の後を受けたグリーンスパン時代の初っ端に「ブラック・マンデー」。18年6ヵ月にもわたったグリーンスパンの後を受けたバーナンキ時代は、「リーマンショック」が炸裂。そして、バーナンキ8年の後を受けたイエレン時代にも何かが起きるだろうと思ってみていた。そして、それは超がつくばら撒き策からの正常化つまり出口戦略の過程での何らかの混乱であろうと。より具体的には、供給されたカネの量からして、何らかのバブルに関連したものだろうと・・・。
先週末、そして週明け5日の過去最大の下げ幅となった株の暴落は、パウエル新議長の下ではあるが、実質的にイエレン時代に起きたともいえるもので、やはり今回もアノマリーが現実化したと思っている。
6日のNY株式市場を見て思うのは、実体経済は好調につき、まったく問題はアリマセン!、早晩、落ち着きを取戻し上昇トレンドに復帰・・・・・とは、そう簡単に行きそうにはないのではということ。確かに、自己勘定でレバレッジを利かせてオフバランス(簿外)などで手広く張っている金融機関はないのかもしれない。したがってリーマンショックのように金融システムを揺るがすような騒動にはならないのかもしれない。しかし、これだけの値動きが起きれば、どこかで大きく傷んだ投資主体がいるわけで、いろいろ表面化するのではないか。
6日のNYダウの567ドル高は自律反発であり、戻りの鈍さが意識されると、下げはこれで終わらないだろう。1月30日のここで「桐一葉、落ちて天下の・・・」と題して、日経が1面で記事にした「iPhine X(テン)の生産半減」の記事が、株式市場の変調のシグナルになるのではとの意味合いで書いた。知る人ぞ知る相場師、故石井久翁(「独眼竜」)の「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」は、何らかの兆候から、その後の大変動(≒暴落)を予言したとされる。
いずれにしても株式市場にはヒビ(Crack)が入った。そのひび割れにさらに楔(くさび)を打ち込み裂け目を大きくすることで、大きな利益を生み出そうと狙う投資家もいる。国際情勢さながらに戦乱の世が株式市場にも。ボラティリティは必然的に上がる。“カネ余りをベースにしてきたAIロボットトレーディングバブル” の綻びを止めることが出来るのか否か。
ひび割れた市場センチメントが、ここまでの資産効果で押し上げられてきた個人の消費マインドを冷やし、ピークに達している可能性のある景気の転換を早めるのかもしれない。
本日、発表が予定されている12月の米消費者信用残は過去最高を更新しているのだろう。17年ぶりの低失業率の下で米国の消費者が目いっぱい借金を膨らませた昨年のクリスマスは、史上最高のクリスマス商戦ではなかったか。これもばく進してきた株価の資産効果の表われ。