さて本日は金価格を見る上でも注目点となっていた米1-3月期のGDP改定値。速報値のプラス0.1%からマイナス成長に下方修正されるであろうことは、この1ヵ月間に発表された関連指標からは織り込み済みとなっていた。
問題はどの程度の下方修正になるかという点にあった。市場予想はおおむねマイナス0.5%からマイナス0.6%というもの。昼間の市況のほうに「下方修正の幅が大きくなるようならば、金は反発という可能性もありそうだ」としたのだが、結局マイナス1.0%と予想を上回るマイナスとなった。マイナス成長は2011年1-3月期以来のことで、その時はマイナス1.3%だった。
それで金価格の反応はというと前日の水準からは6ドル程度安い1250ドルに近い水準で推移していたが、発表と同時に1255ドル台に。しかしそれ以上は伸びず不発に終わったのは、同時に発表された先週の失業保険新規申請件数が前週比で2万7000件減って30万件となったことがあった。2週間前に約7年ぶりとなる29万8000件まで落ちたが、その水準に近づいたことで雇用環境の改善を思わせ、押し上げ材料としてのGDP下方修正も効果を削がれることになった。
昨日2.4%台前半まで低下して注目を集めた米長期金利(10年債金利)だが、今日もさらに低下しているのはGDPの下方修正の拡大を映してのものか。この時間(日本時間の24時前)になり、2.40%を割り込む可能性も出てきている。この金利低下も金には反発の材料になるのだが、さすがに売り一巡後は金もジワジワと戻しには入ってきたが、これで1250~1290の新たなレンジを形作ることになるか。