少し休み？(休んだほうがイイ）

金市場の話を書こう。昨夜のＮＹコメックス（COMEX、商品取引所）は高値が495.9ドルまであって492.9ドルの引け。前日比3.4ドル高。今週のＮＹ市場はThanksgivingの休暇に入るので、その前にポジション（取引）を閉めようとする動きもあって、高値では利食い売りが出た。それでもプラス・サイドでの引けは500ドルへ向けた市場の意志表示というところかな。まわりを見渡せば、すでにプラチナ系は満足したようでひと段落という風情。ベースメタルも銅なども落ち着いてきた様子。ゴールド（そしてsisterのシルバーは追随で）がひとり気をはいている感じ。そもそも、インフレ懸念の高まりを引き金にした一連の非鉄から貴金属への物色の波もここに来て、冷静モードになってきているのは要注意かな。

先日の日曜日（11月20日）に「買い余力を埋めるところまで」として、従来の買い建て玉を売却（手仕舞い）したことで余裕の出来ているファンドが、再攻勢に入っていることから、彼らが「買い枠」いっぱいまで買ってしまえば、そこでひと段落で、それまでに何処まで値を伸ばすことが出来るか？という内容を書いた。買い越し残でみて重量換算にして550トンをメドにし、環境によっては600トン程度まで伸びることもありかと思ったけれど、最近発表されたロシアの中央銀行の金準備積み増し意向くらいでは、目先の500ドル突破は無理ではないかな。ＮＹが休みの間に東京中心にアジアが買い進みＮＹ勢を煽ってしまう・・・なんてことは、ないだろね。あればいつもの逆パターンで面白そうだけどね。まぁ、その場合は500ドルを突破しても“滞空時間”は短くて、反落は避けられまい。それとも月末に500ドルを取っておいて、稼ぎの目標値をクリアしている市場関係者の中には、早々とクリスマス休暇に入る者も。考えられるシナリオは、ここから反落し少し整理基調の後にクリスマス休暇前に再騰し500クリアというもの。

インフレ懸念といっても相変わらず発表されるデータでは、コア指数（変動の大きいエレルギーと食品を除いたもの）は落ち着いているし、むしろインフレ期待を手掛かりにしたものだから、落ち着いていることが分かると、調整は避けられまい。その場合は円建ては、ドル建てより調整幅は深そうに思えるが、どうだろね？まぁこれは勘だけど。そういえば、インフレ期待といっても、米債の「インフレ連動債」のレートを休み前に聞いたけど、メタル市場がいうほどのことはなかった。つまり高まっていないと思うけど・・。ＮＹコメックスのファンドの足元のネット買い残は、500トン近くまで来ていそうだ。