亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

運と偶然と勘と経験と・・・

2005年11月24日 23時44分56秒 | 徒然(つれづれ)
今日は自慢話をひとつ。というのも自分で言わない限り、忘れられている話だから、手前味噌との謗(そし)りを恐れずに書こうかと。それは価格見通しのはなし。それもドル建て金価格の。早いもので来週は12月入りとなる。年末になると新春の相場展望あるいは翌年の市場展望についての取材や原稿依頼が増えるのは、こういった仕事をやっていれば、どの市場関係者も同じだろう。昨年の12月の初旬、自分のところにも日経新聞が声を掛けてくれた。それは来年のNY金価格のレンジを予想し、その理由を簡単に述べよ、というもの。価格レンジは年間を通してのもので、理由は記者氏が取材の上でまとめるというものだった。NYコメックス期近、1オンスの価格レンジ。いろいろ考えたあげく「410~520ドル」とした。そしてこの記事は、「価格の振れ幅大きく」というサブタイトルとともに1月3日の日経新聞朝刊に顔写真入で掲載された。自分以外にはWTI原油と穀物の専門家が同様に掲載されていた。

そう、新春恒例の市場展望の企画のひとつだった。正直に書けば、声を掛けてもらって光栄と思った。年末になる頃には、この記事が掲載されていたことなど誰も覚えてはいないのだろうと思いつつ、(当たり前だけど)それなりに考えて出した予想だった。そして今日、来週から12月入りということと価格が500ドルに接近してきたという2点から、この予想について住友金属鉱山のメールマガジンに取り上げることにした。原稿を起こすにあたり改めて今年ここまでの安値を調べて驚いた。2月8日410.10ドル。410ドル割れは無かったことは仕事柄記憶していたが、かなりの精度ではないかと・・・・・・。

もちろん運と偶然が重なってのものだから、偉そうな顔をする気はないが、それなりに見栄えはする結果ではある・・・・・。ついでに書くと、今でこそ誰もが500ドル超えを指摘するけれど2004年時点で500達成を唱える人は少なかった(大外れするとみっともないしね)。以前から(時期はわからんが)とにかく金は2000ドル、3000ドルになるんだ!という話をする人々はいたが、そうした希望的観測ではなく来年1年の見通しという実際に投資する際に参考になり得るという意味においてである。上限を520ドルとした背景はovershootを考えてのこと。500という切りのいい、かつ心理的に抵抗ラインにもなる価格ゆえにオプション取引などの節目になるとの予想は容易にたつ。結局は、仮に年内にその水準があったとしても維持できないだろうというのが、1年前の基本的な考え方だった。しかし足元は予想した以上の金余り相場。事態は流動的。果たしてどうなるか。結果論をくどくど書いてきて、だんだん恥ずかしくなってきたので、ここまでにしましょう。
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7 コメント

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Unknown (年金不安解消ブログ)
2005-11-25 12:13:54
はじめまして。

金の価格、注目しています。

今回はどこまで、上昇するのでしょうか。

今年はドルや原油や金の相場が大きく動き、興味がつきません。
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ありがとうございます (roadster484)
2005-11-26 08:28:54
ご回答ありがとうございます。

私自身1400円/gの時に金を購入しており、現在も価格が上昇基調なのにどうして売却に走るのか不思議でした。逆に財政的に余裕がある場合はロシア、中国のように購入するのですね。



>かなりの精度ではないかと・・・・・・。

お見事です!(本当に)

欧米の金関係の金融機関の予想はもっと低値だったかと…

豊島氏の予想も上昇でしたけど、先生の予想のほうが更に精度が高かったですね。

返信する
はやぶさは行く♪ (猫マンマ)
2005-11-26 11:53:39
エンヂンの音 ゴウゴウとはやぶさは行く♪



イトカワから岩石採取成功! 二年後にオーストラリアの砂漠に無事帰ってくるどうか、楽しみだニャ



打ち上げた三年前は金相場Ave.1300円。 想像をたくましくして戴いて二年後の2007年6月頃はどうなってますでしょう?  
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ヘリコプター・ベン (いつも拝見しております)
2005-11-26 22:41:24
小泉日本政府が日銀平定を目指しているようですね。

レイムダックブッシュ米政府はヘリコプター・ベンをFRBに迎えました。(何をするにもカネは必要ですからね。)



今の金相場が止まらないのは、何かが出てくる伏線とか・・・?



来春3月までのどこかで押すのが最後にならないことを祈って止みません。(悪い結果にならなければそれでもいいのですが・・・)
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ヘリコプター・エン (いつも拝見しております)
2005-11-27 00:10:06
そういえば、海の向こうのことと思っていましたが、小泉(独裁?)政権は実行してますね。

巨額為替介入に、その後の非不胎化政策に今やってるゼロ金利に量的緩和政策ときたもんだ。

ジャパン・プレミアムまでついてジャブジャブにしたお金の行き先は国内を離陸したのでしょうか?



このヘリコプター理論、マネタリズムの極致で競争力とか労働とかの実物経済無視っぽく感じられるのは私だけ・・・?
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読みました (Unknown)
2005-11-27 20:18:00
私は、覚えています。日経新聞の2005年金価格の予測。「強気の数字だな」と思ったことも覚えています。12月の頭が今年のピークと見ている人が、多いようなので、今週が山場と言うことでしょうか?

来年は、再浮上があり得るとしても、今年は500ドルいったん突破で、みんな一安心?あとは様子見ではないかと勝手に予測しています。

私のシナリオで言うと今週に510ドル台。あとは500ドル~480ドルとなると、まさに100点満点ですね。多分日経新聞も誉めてくれないと思うので、手前味噌は当然です。当然、2006年は?と聞かれる可能性が増えるというリスクはありますが、、、。







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ヘリコプター・マネー ()
2005-11-27 22:31:10
確かに管理通貨制度の行き着くところ、常時金余りを演出することで景気を持たせようとの方向性が確立されているようで、その心は資産価格の維持と押し上げ。一国で実物経済に投じられたマネーも、違う国では同じマネーを実物経済ではなくマネー経済に投じるということで、実物経済とマネー経済の境目がわからなくなったところから、管理通貨制度も曲がり角に。
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