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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金は刷れない

2012年09月19日 22時42分27秒 | 金市場
本日の日銀の追加緩和10兆円。そうですか。。ドル円はスルスルと79円台に入り、円建て国内の金価格もその恩恵を受け上昇。その時点ではメデタシメデタシということか。ニュースを見ていると政財界そろって“よくやった!!”と拍手喝采という感じに見えた。さて、やることはやったんだから、この後で再度ドル安円高方向に押し戻されても、「投機的な動き」などとすぐには言わんのでしょうが・・。

それにしても緩和策の際にいつも思う(特に日銀)のは、10兆円などと簡単に言うのだが、世界中の金鉱山会社が寄ってたかって年間2800トンほどが掘り出されるに過ぎないということ。このところの価格上昇で金も生産熱が高まったことで、昨年の2818トンは過去最高となる。これに時価のグラム4500円を掛けると時価総額が出るが、ざっと13兆円弱になる。日銀は今年に入り2月14日の追加緩和10兆円を皮切りに本日含め実質的に25兆円の追加を決めたことになる。これだけで金にして5600トンと2年分の鉱山生産に匹敵するのだが、こうした金融環境が主要国共通に生まれていることが、如何に金にとってプラスであるかがわかろう。金は刷れない。ヒラヒラと燃えあがりそうなカネの渦の中で、その物理的重さに逆らうように浮かびあがるのが金ということになる。


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-09-19 23:36:41
本日のお話。素人の私でも良くわかりました。
日米欧でお金を刷って刷って刷りまくる。とてもじゃないですが、金本位制なんて夢物語だということがわかりました。
(通貨発行量と、金の産出量から比較して)このお話を聞いてたら金価格なんて、今の数十倍になってもおかしくないような気がします。これは厚かましいかな?
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Unknown (ささやか)
2012-09-20 08:11:34
年間2800トン。金本位制を維持する事はやっぱり難しかったんでしょう、とあらためて感じます。

TVで日中韓間の紛争が報じられると、何だか胸が塞いでしまいます。長い歴史の中ではイロイロあって当たり前なのでしょうが、不況・各国政権の移行期の不安定等、嫌な時期に嫌な事がおこります。
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