以下は先週の金曜日5月22日の午後に、ここに書いた内容だが、現在も見方に変わりはない。
「後はまず968ドルの引けが欲しい。NYコメックスの出来高、取組ともにやっと盛り上がってきたのは、固まっていたマネーがうごめき始めた証とみる。インドやトルコの一般消費者に売りを思いとどまらせるような相場の助走とも捉えられるが、950から上はいろいろありそう。カネ余りの矛先が原油その他に回っているが、さらに上を買うには需給上の説得材料に欠けるのではないか。その中で(量的緩和やドル安という)金融的側面の材料のある金は手掛けやすいという側面がある。ここにきて金鉱株の値動きが良くなってきているが、環境から考えて先行指標となるのではないかと思う。それは金融環境の正常化が進んでいる証でもあるが、出遅れ修正と先高期待の両面で資金流入が見られているのだろう。いまの金市場は湿った導火線がジワジワと燃えているイメージだ」
昨夜のNY市場の金価格はNYコメックスの中心限月(6月もの)は高値964.9ドル、スポット価格は965.4ドルまで見たが、いずれも今年3月20日の高値の更新を意味する968ドルを超えらなかった。ただし売りモノをこなしながらの展開が続いており本日のロンドンからNYの取引はテクニカル上も注目日となってきた。3月20日の高値は直前のFOMC(連邦公開市場委員会)にて量的緩和の導入が決定されたことを受けた市場の反応だった。6ヵ月で米国債3000億ドルの購入を含む総額1兆7500億ドルもの買い取り政策の導入に先行きのインフレの芽を嗅ぎ取ったもので、売り買い交錯のなかでつけたものだった。
いまは静かにその時の水準まで戻してきたというわけだ。そう、この高値水準を半信半疑で眺める人の多い中で「静かに」戻してきた。まさに“疑いのなかで育つ”相場といえよう。
5月28日のNY市場では幾つかある関心事のひとつ、米7年債の入札(新規発行260億ドル)があり結果は波乱なく終了。午前中から上下に方向感の定まらなかった株式市場は、この結果を受けて上昇となった。すでに何度かこなしているが週間ベースで過去最大規模(1010億ドル)の入札が無事終了した。関係者は、「やれやれ」といったところだろう。ただし大量発行はまだまだ続き、需給に対する懸念を軸に債券市場はドル相場を通じて金市場の材料であり続けるだろう。
ところで金価格の上昇について海外通信社などの市況解説では、「原油の上昇がインフレ懸念につながり金価格の上昇の材料となった」などとしているが、むしろ「WTI原油のこのところの上昇は、需給を離れた投機資金の流入を背景としており、その流れは金市場にも及んでいる」と理解するのが正しいと思われる。このところシルバーの上昇が目立っているのだが、もともシルバーは値動きの速さ大きさで投機的な売買の対象になりやすく、このところの動意は足元のカネ余り相場を示唆するものと捉えることができる。足元の金市場も同じ構図の中にあるが、売りモノがどんどん出てくるのも金市場ならではといえる。仮に1000ドルまでは重くとも、値動きの転換は鮮やかなものになると以前から見ているのだが、果たしてどうなるか。当座は(新規)参加するより“見る相場”ということか。
「後はまず968ドルの引けが欲しい。NYコメックスの出来高、取組ともにやっと盛り上がってきたのは、固まっていたマネーがうごめき始めた証とみる。インドやトルコの一般消費者に売りを思いとどまらせるような相場の助走とも捉えられるが、950から上はいろいろありそう。カネ余りの矛先が原油その他に回っているが、さらに上を買うには需給上の説得材料に欠けるのではないか。その中で(量的緩和やドル安という)金融的側面の材料のある金は手掛けやすいという側面がある。ここにきて金鉱株の値動きが良くなってきているが、環境から考えて先行指標となるのではないかと思う。それは金融環境の正常化が進んでいる証でもあるが、出遅れ修正と先高期待の両面で資金流入が見られているのだろう。いまの金市場は湿った導火線がジワジワと燃えているイメージだ」
昨夜のNY市場の金価格はNYコメックスの中心限月(6月もの)は高値964.9ドル、スポット価格は965.4ドルまで見たが、いずれも今年3月20日の高値の更新を意味する968ドルを超えらなかった。ただし売りモノをこなしながらの展開が続いており本日のロンドンからNYの取引はテクニカル上も注目日となってきた。3月20日の高値は直前のFOMC(連邦公開市場委員会)にて量的緩和の導入が決定されたことを受けた市場の反応だった。6ヵ月で米国債3000億ドルの購入を含む総額1兆7500億ドルもの買い取り政策の導入に先行きのインフレの芽を嗅ぎ取ったもので、売り買い交錯のなかでつけたものだった。
いまは静かにその時の水準まで戻してきたというわけだ。そう、この高値水準を半信半疑で眺める人の多い中で「静かに」戻してきた。まさに“疑いのなかで育つ”相場といえよう。
5月28日のNY市場では幾つかある関心事のひとつ、米7年債の入札(新規発行260億ドル)があり結果は波乱なく終了。午前中から上下に方向感の定まらなかった株式市場は、この結果を受けて上昇となった。すでに何度かこなしているが週間ベースで過去最大規模(1010億ドル)の入札が無事終了した。関係者は、「やれやれ」といったところだろう。ただし大量発行はまだまだ続き、需給に対する懸念を軸に債券市場はドル相場を通じて金市場の材料であり続けるだろう。
ところで金価格の上昇について海外通信社などの市況解説では、「原油の上昇がインフレ懸念につながり金価格の上昇の材料となった」などとしているが、むしろ「WTI原油のこのところの上昇は、需給を離れた投機資金の流入を背景としており、その流れは金市場にも及んでいる」と理解するのが正しいと思われる。このところシルバーの上昇が目立っているのだが、もともシルバーは値動きの速さ大きさで投機的な売買の対象になりやすく、このところの動意は足元のカネ余り相場を示唆するものと捉えることができる。足元の金市場も同じ構図の中にあるが、売りモノがどんどん出てくるのも金市場ならではといえる。仮に1000ドルまでは重くとも、値動きの転換は鮮やかなものになると以前から見ているのだが、果たしてどうなるか。当座は(新規)参加するより“見る相場”ということか。
http://www.am.mufg.jp/market/keizai/igarashi/20090324.pdf
5月は別の講師から、金価格の動向も加えたグラフを貰ったはずだけど。
「金500gはプリウスより安い」と皆さんが噂するまで“見る相場”?足元はデフレですし…
ただ、売るのも怖い峠道みたい気もする。