亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、懐疑の中で1770ドル台 

2021年04月16日 20時42分46秒 | 金市場
またま今週は仕事が立て込んでいて、週央にスタジオで割と長めの収録などもあり、その内容をギリギリまで詰めたり何なりで、更新が途切れ途切れになってしまいましたが、それも本日午後で抜けました。

週初は、東証アローズにてStock Voiceにいつもは電話出演のところ、スタジオ出演ということに。話の内容としては、「亀井幸一郎のゴールド・ボイス」と被るものの、この数週間金市場で起きてきたことと、金の先行きに悲観的な見方が多い中で、3月に底打ちしたのではと、私自身はみていますということを、伝えようとしたもの。参考までに下にURLを張っておきましょう。そして本日16日は、ラジオNIKKEIのマーケット・プレスに9時35分から52分まで電話生出演で、こちらはこの番組の看板キャスター岸田恵美子さんの問いに応える形で進行するというもの。ちょうど15日の(つまり昨夜の)NY市場にて失業保険新規申請件数の予想以上の減少や3月の小売売上高の上振れにもかかわらず、米長期金利が(わりと)大きく低下したことから話が始まり、バイデン政権の増税の話や米中関係、日米首脳会談などなどの話題になり、ここにも書いた安川電機の好決算の翌営業日の大幅下落の話や、最後に金価格の見通しで終了という内容。

今週もいくつか、おやっ!?と思うことがあったので、来週更新する予定のgoldstreet、「ゴールド・ボイス」で取り上げようかと。内容は18日日曜日にでも練ろうかと計画中。週明け月曜日に時事通信社のレポートの締め切りも控えているので、一緒に考えようかと。

話をマーケットに転じると、強気の経済指標が続く中での15日の10年債利回りの急低下は、ややサプライズといえた。もっとも、今朝も岸田さんから聞かれたが、景気回復が加速しても米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策を維持するとの見方が市場で定着してきたということが基盤ということだろう。さらに、3月末に向け国債が売られた際に、投機的な売り仕掛けをしていたファンドが、買戻しに入ったとの捉え方もできる。3月末に向けて日本勢などが米国債の益出しに走った際に、その流れに乗じて利益を上げようとした(モメンタムトレード)CTAなどが、いったんは利益を出しながら、なかにはカバーしそこなった残玉を手仕舞いしたこともあったのではという推測。

15日の場合、そのきっかけとして、このところの米中摩擦の高まりや、この日バイデン大統領が米国に駐在するロシア外交官10人に国外退去を命じる大統領令を発したことなど、地政学的リスクの高まりを指摘する見方もある。ホワイトハウスはロシアの活動で安全保障や経済が脅威にさらされているとして、ロシアの外交官を追放した。この発表にロシア側はもちろん強く反発。なんせ2日前に電話で首脳会談をしたばかりで、米国はいずれ機会を作って直接会談まで提案したとされるが、ロシアサイド(プーチン)としては、どういうこと??という感じだろう。その心は、国内向けのパフォーマンスではないかと思う次第で。。。。トランプの後を受けてバイデン政権も大変だなぁ・・・と。

地政学的リスクについては、久しく市場のレーダースクリーン(視野)に入っていなかったので、この日の金市場にも一定の影響を与えたとみられた。いずれにしても、米国景気が良くなれば長期金利は上がり、金の出番はないという、多くの見方の中で本日NY時間外でNY金は1770ドル台で推移中。この水準を維持できれば米国勢の見方も変わりそうだが、どうなるか。悲観の中で生まれた相場が懐疑の中で育つ。


(775) JPXデリバティブ・フォーカス 4月12日 MSI 亀井 幸一郎さん - YouTube


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