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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

危うい金融市場、環境の変化が金市場を刺激

2007年10月25日 21時04分03秒 | 金市場
連日、サブプライム関連が話題になるのは決算発表期ならではということか。ひろく報道されているようにメリルリンチがウォーニングで約50億ドルとしていたサブプライム関連証券化商品などの評価損を7-9月期決算で79億ドル(約9千億円)と発表したことが一時ダウを200ドル安まで押し下げた。流動性の低いデリバティブ金融商品の評価については、いわば“良識にまかせた”推定価格をもとに評価してよいという会計基準だが、さすがに実勢とのかい離が無視できなくなったということだろう。あるいは価格の崩落が進み、短期間に評価損が膨らんだという見方もできるが、そうなると先月決算発表をしたベアスターンズなどの内容はさらに悪化しているということになる。

ますます、14日に発表された「サブプライム関連商品買取機構」の構想は、15日のシティ・グループの決算発表の市場への影響度を抑えるための見切り発車的なものだったとの見方が正しかったことになる。下旬から11月上旬にかけて欧州系の決算が予定されており、(何度も書くが)BNPパリバの決算など、ますます目が離せなくなるとともに、信用リスクの高まりにより金価格の押し上げ要因になりそうだ。それほど環境は変わってきた。市場は今後も余震(本震?)の持続を予感しており、その意味で耐性はできつつあるが、株式市場など利下げ期待ひとつで維持されている面で、「振れ」の大きい展開になりそうだ。

11月というとヘッジファンドの決算が多いことでも知られる月でもある。サブプライム関連商品を中心に運用されてきたところには既に資金繰りがつかず破綻するところも目立ち始めていると伝えられている。親銀行、証券会社からの支援でなんとか持ちこたえているところも多いとされる。そして支援親銀行は、決算で引当金を積み増す必要にかられている。この話は、金市場にとって押し上げ材料ばかりというわけでもない。ヘッジファンドのなかで強制的な資産売却に追いやられるところが出ると、8月中旬のような換金売りに急落ということも考えられるので、ある部分で「両刃」という側面があるといえる。今後の見極めが大事だが、そう簡単ではない。causiouly bullish(警戒しながらの強気)ということになる。

本日は、満月。昼間、東京の日経ホールで「ゴールド・セミナー」。同じ企画で明日は大阪。一昨日、昨日と東京で13夜、14夜の月がきれいに見えた。東京は曇っていたが、いま大阪で薄雲がかかっているもののきれいな満月を見ることができる。「花はさかりに月はくまなきをのみ見るものかは」とはいうものの、満月もきれいなのだ。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はずれました・・・ (いつも拝見しております)
2007-10-25 23:07:15
お疲れさまです。

中古住宅あれほどひどかったのに公定歩合引き下げの噂だけであれほど買われるなんてすごいのか狂ってるのかわかりません。今日も耐久財で下げてますが、続いて新築住宅でも大下げしたとしても来週のFOMC期待でまた上げるんでしょうね。やはり上なのかな?サブプライムですが、ベアよりシティが本丸と見ているコメントが多く感じられます。それもこれも関係なしにモメンタムで乗り切るんだろうなぁ・・・恐るべき下値の買い圧力・・・個人的にはこの勢いには乗れません。紅葉狩りもはずれでした。
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書き忘れましたが (K)
2007-10-26 00:46:23
ベア・スターンズは中国投資会社に資本を求めているのは、その窮状を表しているということでしょう。この投資会社には、かつて邦銀が煮え湯を飲まされたことがあるのです。まぁサブプライムの本丸は規模としてはシティですね。「規模」はそうですが、波乱を引き起こすのはシティとは限らないということでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2007-10-26 10:37:39
またまたアメリカは金利引き下げで、株高、金高なのでしょうか?
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日本の財務省財務官の発言 (小さな愛犬家)
2007-10-26 11:43:07
 お疲れ様です。
 本日の読売新聞経済面のベタ記事に、篠原尚之・財務省財務官の発言として「円キャリー取引は事実消滅した」と言う記事がありました。さすが、日本の財務省のスタッフは馬鹿ばかりでありません。ヘッジファンドの力か急激に萎えているのは明らかです。
 さて、アメリカでは大手銀行・証券で第一次分として計約1万人のリストラが発表しました。
 日本では、シャープなどが大型液晶テレビの売り上げが急減しているそうです。これは米国住宅市場の不振が回りまわって耐久消費財にまで影響し始めているのを如実に物語っています。
 金融の大不振によりアメリカの頼みのは綱は、IT産業と軍隊だけになりつつあります。
 それなのに株式市場(金市場も含む)では、まだ「根拠なき熱狂」が続いています。
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オイルマネーが・・・ (いつも拝見しております)
2007-10-26 13:44:50
お疲れさまです。

コメントありがとうございます。困ったときは中国ですか。何でも助けは外国からですね。シティもサウジに助けてもらったような気がします。
今日は大荒れですね。あっさり高値更新したので思わず打診買い入れちゃいました。原油の高騰が止まりません。オイルマネーが世界を買う構造となれば、対米還流減少でドル安。来週のFOMCを先取りする動きでしょうか?マネーの世界が広がっている気がします。多極化ってことでしょうかね?ついて行くのが大変です。
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あら! (ささやか)
2007-10-26 22:15:20
東京主導の高値更新?
がんばれGold!



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777 (ナニユエ)
2007-10-26 22:51:38
きたー フィーバー おめでとうございます。
もしサブプライム問題がなければドルは価格はともかく地位はもっとさがっていたのでは
石油ーgold から 食料ーgoldになれば食料を軽視してきたアジアは沈み 米国は、、、
どちらにしても goldは売れない 
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