
12月22日のNY市場。朝方発表された米国経済の底堅さを示す指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが予想よりも長期化するとの見方が高まった。ドルがユーロなどの主要通貨に対して買われる場面があり、金市場では売りが膨らんだ。ただし、ドル高の動きはさほど強くなかった。しかし、結果的にNY金の通常取引は、前日比30.10ドル安の1795.30ドルで終了。
NY時間に同時進行で進んでいたのが、株安だった。12月に入って以降FRBの積極引き締めが景気の落ち込みを招くとの警戒感も強く株安が進んでいたが、この日は半導体関連銘柄の四半期決算や見通しが市場予想を下回ったことをきっかけに、ダウ30種平均の下げ幅が一時800ドルを超えるなど、株式市場は大きく下落。
この流れの中でNY金の下げが進んだことを考えると、6カ月ぶりの高値水準にあるNY金だけに、再び換金売り(キャッシュ・アウト)の対象になったことも下げの背景とみられる。ただし、節目の1800ドル割れとなったNY金だが、その後買戻しの動きがみられ1800.30ドルで時間外取引は終了した。
朝方発表の7~9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率で3.2%増と改定値(2.9%増)から上方修正され、市場予想(2.9%増)を上回った。個人消費、企業設備投資、州・地方政府の支出の上方修正を反映したもので、内需も上方修正された。一方、住宅市場の落ち込みは従来よりも大きく、住宅投資は6四半期連続で減少。(リーマンショックに至った)2006年の住宅市場の崩壊以来、最長の減少となっている。
またこの日、米労働省が発表した17日までの1週間の新規失業保険申請件数は2000件増の21万6000件となりました。市場予想は22万2000件で予想ほど悪化せず、労働市場がなお引き締まった状態にあることを示した。 いずれも市場の警戒感ほどには、米国経済は落ちていないことを示す内容といえるもの。
ただし、GDP統計にしてもいわば過去の数字であり、歴史的なFRBの利上げの影響が顕在化するのはこれからとの指摘が市場のコンセンサス。
この点で注目されるのが、同じ22日にコンファレンス・ボード(CB)が発表した、11月の米景気先行指数が前月比1.0%低下と9カ月連続でマイナスとなったことだ。景気の落ち込みを示す先行指標として定評があることから、年明け以降の景気後退の始まりを予想する見方につながる。
市場の関心は、本日23日発表の米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)に向けられている。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターの結果が、ゲームチェンジャーになると思われるが、これは昨日書いたので結果を待つことにしよう。
南紀白浜空港経由で南紀に移動してきたが、寒い!全国的に寒波に襲われているが、こちらも早朝は0℃近いようで2月ころならまだしも、珍しい。