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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米中貿易戦争をよそに、接近する米長短金利差

2018年06月20日 23時32分02秒 | 金融市場の話題
先週末15日にコモディティ市場に広く出された手仕舞い売り(≒cash out、換金売り)だったが、その際に株式市場も債券も為替も目立った動きは出ていなかった。米中貿易戦争の再発から世界景気への阻害要因を読む市場であれば、株式市場にも影響が波及してしかるべしと見ていたが、そうはならなかった。暴力的な通商政策に打って出ているトランプ政権だが、株式市場を中心に、基本は“脅し”で成果を上げようとする政策であって、トランプとはいえ米国にも相応の火の粉が降り注ぐ事態は、避けるであろうと高をくくっていた様子がある。それが、追加関税をめぐる強気のスタンスに、これはマズイ!とばかりにリスクオフ・センチメントが広がったのが19日の欧米を含む動き。株安に見舞われ、債券は買われ利回りは低下、為替市場では円が独歩高となった。

一時、400ドルを超える下げに見舞われたNYダウだが、結局287ドル安で終了。昨年末の水準を割り込んだ。採用銘柄では、アルコアやボーイング、キャタピラーの下げが目立った。いずれも中国への輸出で知られる。リスクオフということでドルと米国債も買われ、アジア時間に高かったユーロはNY時間には下落。それを映してドル指数(DXY)は今年初めて95ポイント台で終了。このDXYの強さ自体が金の上値を限定的なものにしている。

ところで債券相場に関連した話題に、米10年債(長期金利)と2年債(短期金利)の利回り格差の問題がある。仮に長期と短期の金利水準に逆転現象(長期<短期、逆イールド現象)が起きたとするならば、それは明確な景気後退の指標(ウィリアムズNY連銀総裁)と見られている。今は双方の利回りが接近中(フラット化)で、19日はついに0.351%と過去10年でもっとも縮小するところまで来ている。先週のFOMC以降にフラット化が進んでいる。

米中間の貿易摩擦問題だが、単なる貿易の不均衡問題のみならず、両国の覇権争いが絡んでいるだけに簡単には行かない展開。



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