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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金は6週間ぶり高値で国内ゴールド再び最高値接近

2023年07月19日 18時32分02秒 | 金市場

7月18日のNY金は、朝方発表された米経済指標を受けて利上げ長期化に対する警戒感が和らぎ、米長期金利が低下。金市場ではファンドによる新規とみられる買いが水準を押し上げた。NYコメックスの通常取引は前日比24.40ドル高の1980.80ドルで終了した。朝方は売り買い交錯状態となったものの、終盤にかけて水準を切り上げ一時1988.30ドルまで付けた。終値ベースでは6月1日以来6週間ぶりの高値となる。

本日NY時間外のアジア、ロンドンの時間帯を通して1980~85ドルの非常に狭いレンジをほぼ横ばいで推移している。

4、5月の高値を取りに行く際にファンドがフルに買い参戦していなかったことから、戻り売りは限定的な印象。

ちょうどインドで開かれているG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、植田総裁が持続的・安定的な2%の物価目標の達成に「前提が変わらない限り、全体のストーリーは不変だ」と発言したことで、ドル円が円安方向に振れ139円を突破し、140円方向に。国内大阪取引所の金先物価格(JPX金)は8900円方向と再び過去最高値に接近している。

 

発表された6月の米小売売上高は、内容的には、熱すぎず冷たすぎず丁度よい(ゴルディロックスな)状況を示した。

前月比0.2%増と市場予想の0.5%増を下回った。前月から鈍化しマイナスとなった3月来で最小の伸びとなった。自動車・同部品を除いた売上高も0.2%増と、市場予想(0.3%増)に届かなかった。インフレ鈍化を意識させる内容との受け止め方がされることになった。ただし、一方で5月分は0.5%増と速報の0.3%増から上方修正された。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材、給油、食品を除いたコア売上高は前月比0.6%増と、5月の0.3%増から伸びが拡大し、インフレ鈍化とともに個人消費の復活も感じさせた。 これを受けアトランタ連銀の第2四半期GDP成長見通し(GDP・Now)は従来の2.3%から2.4%へ引き上げられた。ソフトランディング(経済の軟着陸)観測を後押しする内容といえる。

株式市場にとっては歓迎すべき内容と言え、実際にダウ30種平均は前日比366ドル高い3万4591ドルで引け、7営業日連続の上昇となった。ちなみに7日続伸は2021年3月以来で終値では1年3カ月ぶりの高値をつけ終了した。

消費に加えて住宅市場も底入れが証明されつつある。全米住宅産業協会(NAHB)が発表した7月NAHB住宅市場指数は56と、7カ月連続で上昇した。昨年6月以降ほぼ1年ぶりの高水準で、住宅建設業者の楽観的見解を示す50を3カ月連続で上回った。住宅建設業者は中古住宅の供給不足が新築物件の需要を押し上げていると指摘している。

なおNY時間外のアジア時間には一時15カ月ぶりの安値99.589)まで水準を切り下げていたドル指数(DXY)は、終盤はわずかにプラス圏に浮上した。それでも100ポイント割れの状態に変わりなし。

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