昨夜はここに予定されていたパウエルFRB議長の講演内容について、「このところ、発言内容に変化があるように思われるので、変化率という点でこちらの方が要注目と思う」とした。結果は、同議長の発言内容には相応の落差があり、市場の材料となった。
報じられているように、同議長は現在の政策金利の水準は、景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」の「すぐ下にある」つまり、近づいているとした。利上げサイクルの終盤に位置しているとの認識を示したものとされる。10月2日の講演では、「際立って良好な」米国経済が拡大を続ける中で、FRBは中立金利を上回る水準に政策金利を引き上げる可能性があるとしたうえで、中立水準までは「先は長い(long way)としていた。それが今回は「すぐ下(just below)」とした。
予兆はあった。11月14日にテキサス州ダラスで行われたパネルに際してパウエル議長は、
米国経済が今後数ヵ月に直面する可能性のある「逆風」として、国外での景気減速や(米政府の)減税や歳出拡大の効果が時間の経過とともに薄れる可能性に言及していた。その翌々日16日には、クラリダFRB副議長が世界経済に減速の証拠があり、金融政策上も考慮することを示唆し、市場は米利上げサイクル終了の前倒しを示唆するハト派発言と受け止めていた。同副議長は、エコノミストで金融政策担当となっている。弁護士出身のパウエル議長、金融規制担当のクォールズ副議長という布陣の中で、14日のパウエル議長の発言の裏に、クラリダ副議長の影響があったものと推測している。
市場ではクラリダ発言以降、FRBの利上げサイクルの前倒し終了観測が浮上していたが、今回のパウエル発言でさらに来年以降の利上げは見通しにくくなった。もっとも、パウエル議長、クラリダ議長ともに経済指標を「非常に」注視するとしていることから、データ次第では来年の利上げを加速させることを否定はしていない。ただし、12月の会合での利上げは既に織り込み済みの中で、見直される可能性が高まっている2019年の利上げスタンスを考えるなら、12月の利上げが目先の材料出尽くしとなり、金をはじめ流れを変える転機になると思われる。本日は、11月のFOMC議事録が公開される。
報じられているように、同議長は現在の政策金利の水準は、景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」の「すぐ下にある」つまり、近づいているとした。利上げサイクルの終盤に位置しているとの認識を示したものとされる。10月2日の講演では、「際立って良好な」米国経済が拡大を続ける中で、FRBは中立金利を上回る水準に政策金利を引き上げる可能性があるとしたうえで、中立水準までは「先は長い(long way)としていた。それが今回は「すぐ下(just below)」とした。
予兆はあった。11月14日にテキサス州ダラスで行われたパネルに際してパウエル議長は、
米国経済が今後数ヵ月に直面する可能性のある「逆風」として、国外での景気減速や(米政府の)減税や歳出拡大の効果が時間の経過とともに薄れる可能性に言及していた。その翌々日16日には、クラリダFRB副議長が世界経済に減速の証拠があり、金融政策上も考慮することを示唆し、市場は米利上げサイクル終了の前倒しを示唆するハト派発言と受け止めていた。同副議長は、エコノミストで金融政策担当となっている。弁護士出身のパウエル議長、金融規制担当のクォールズ副議長という布陣の中で、14日のパウエル議長の発言の裏に、クラリダ副議長の影響があったものと推測している。
市場ではクラリダ発言以降、FRBの利上げサイクルの前倒し終了観測が浮上していたが、今回のパウエル発言でさらに来年以降の利上げは見通しにくくなった。もっとも、パウエル議長、クラリダ議長ともに経済指標を「非常に」注視するとしていることから、データ次第では来年の利上げを加速させることを否定はしていない。ただし、12月の会合での利上げは既に織り込み済みの中で、見直される可能性が高まっている2019年の利上げスタンスを考えるなら、12月の利上げが目先の材料出尽くしとなり、金をはじめ流れを変える転機になると思われる。本日は、11月のFOMC議事録が公開される。