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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

意見が分かれそうなFOMC

2014年12月15日 23時49分31秒 | 金市場
今週は、何と言ってもFOMC(連邦公開市場委員会)。米国経済のここまでの状態を示す指標はおおむね良好だ。誰の目にもユーロ圏や日本さらに新興国との比較で、米国は比較優位に立っており、必然、為替市場ではドル高見通しが先に立つ。

月初の米雇用統計。就業者数の前月比増加数30万人超は、目先のピークを打ったのかと思わせるような数字だった。先週の小売売上高の伸びも申し分なかった。それでもここに来てのNY株の急落。降ってわいたようなリスク‐オフの流れは、一時的なものなのか否か。週明けのNY株式市場は、おそらく落ち着きを見せるのだろうが、外部要因の急変に対する米国経済の耐性(抵抗力)に対する警戒感は尾を引きそうだ。

急変の際たるものが原油の急落だが、エネルギー産業の価値の根源が、何らかの経済ショックもない中で、短期でこれだけ減価するとは誰も考えていなかったし、対応できないところも出てくると思われ、やはり波乱につながりそうだ。サウジなど旧勢力が米シェール・ガス・オイルという新興勢力に仕掛けた体力勝負ということか。

上昇が目立ったドルにしても、ここから更に上げ足を速めるとなると、これまた波乱につながる可能性もある。強いドル政策は、米国に資金を引き付け株高や住宅価格など資産高を維持する上では有効と思われるが、やはり行き過ぎは“過ぎたるはなお及ばざるがごとし”ということで、波乱を生む。先週BIS(国際決済銀行)が発表した報告書では「新興国が発行した国際的な債務証券の総額は2兆6000億ドル(約307兆円)で、その4分の3はドル建て」で、しかも「中国の外貨建て借り入れが12年半ばからの2年間で2倍以上に増え、1兆1000億ドルに達した」とされる。つまり、国際金融に綻びが目立っており、さらなるドル高が進むと緩い信用規制の中で広がった負債の重みに耐えきれなくなるところが出そうだが、中国のリスクが高いとされる。

こうした難しい環境の中でFOMCの意見も割れると見られるが、イエレン議長がどうまとめるのか。「相当な期間(considerable time)」低金利を続けるとの文言を外すのではとの見通しから、週明けの金市場では売りが先行している。

先週末金曜日の夕刻は、ラジオNikkei「マーケット・トレンド」でした。
以下で、内容を聞いていただけます。

http://www.radionikkei.jp/podcasting/trend/2014/12/player-20141212.html

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