1200ドルを維持した金は、やはり上値追いの動きを見せ始めた。今夜のNYで1250を上抜くと面白くなりそうだ。
ここにきて金市場へのノイズのレベルが上がってきているように思われる。要は関心が高まっている。急伸しても切り上げた水準を維持できず急反落というパターンを想定して見ているものの、しぶとく張り付いている状況が、外から見ていて何か金市場では起きているのか?と思わせるのだろう。確かに変化は起きていて、それは新規資金の流入が見られるということ。日本時間の明朝、CFTC(米商品先物委員会)の今週火曜日16日までのデータが公表されるので、急騰した11日の分も含まれるので、その辺りの事情を類推する手掛かりにはなろう。
さて、書き込みに、リーマン・ショック後に一時的に金が売られたことに対するものがあったので、取り上げてみましょう。
あの時は(2008年10月)、いわゆるクレジット・クランチで国際金融が凍りついた状況でドル資金が取れなくなる(借り入れられなくなる)ということが発生した。そこで(法律用語であるところの)緊急避難ということで金を保有する投資家は金を手放すことでドルを調達することができた。出来れば温存したいが背に腹は代えられないということで、泣く泣く金を手放してドル資金を手にし、デフォルトを免れた投資家も多かったと見られた。金を持っていれば、あのような危機時にも資金調達が出来たということで、まさに「有事の金」ということになった。
「有事」とは、何もドンパチ紛争、戦争だけではなく、いわゆる「経済有事」が含まれるわけだ。ただし、こうした売り物は止むにやまれず売る人が売りきってしまえばそれでおしまい、後は引かない。売りが切れたところで、急反発ということになった。原油やプラチナなど一緒に下がったものは、そのまま奈落に落ちて行ったが、金だけは浮上し、その後、新値街道をひた走った経緯がある。WTI原油もプラチナもそのまま、あのコモディティ・ブームの盛りにつけた最高値を越えられないまま、この1年半安値に沈むことになっている。
中国のバブル崩壊という話、すでに崩壊はしているわけで、それが中国ゆえに政府の管理下に置かれていることから一般的なバブル崩壊とは異なり、緩やかな崩壊となっているという印象が強いと思っている。それはすなわち中国政府にしわ寄せが行っているわけで、そのひとつの目に見える形で外貨準備の急減ということかと。これも時間の問題で、徐々に苦しくなると人民元の切り下げなど、平静を装っていられないということもあるかもしれない。
昨日のウォルマートの決算とその市場の反応は興味深かったですなぁ。金を考える材料になった。
明日は大阪です。2週前の土曜日も大阪で、その時は休憩をはさんでもらい、10分間「TBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど(土曜、13時から14時55分)」に電話で生出演ということをやらせてもらった。後から発生した独立した企画で、セミナー主催者に話したところ快諾してくれて成立した。久米さんからの質問も、日銀のマイナス金利採用で金はいいの?わるいの?みたいな話から始まり、結果的にセミナー内容とコラボとなりました。明日は、そういう企画はありません。