亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

お馴染みの話が再び・・・

2006年11月23日 20時32分43秒 | 金市場
暖かかった東京もさすがに気温が下がってきた。・・・・といっても13度くらいなので、まだまだ暖かい。昨日は仕事で出たついでに神宮外苑前のイチョウ並木を歩いてみた。“黄色のトンネル状態”を期待したが、ほとんど紅葉していなかった。すぐに退散。。。きょう見た神田川沿いの桜並木は、すっかり色が変わりほとんど葉を落としていた。札幌は雪だそうな。

プラチナ騒動に目を奪われている間に金市場でも、またぞろIMF保有金売却の話が浮上してきた・・・・・というより報道に載っていなかっただけで水面下ではIMFの財務内容改善策のひとつとして検討されてきて、それが浮上したという話。IMFも組織が大きくなり新たなプロジェクトが立ち上がるなど、人件費やその他コストをこれまで各国の拠出金の運用利息収入で賄ってきたが、それでは足りない慢性赤字状態というわけ。そこで資産の売却をはかり何とかしようということ。・・・でいつものように、ならば米独に次いで第3位約3200トン保有する金の一部を売却すればいいという話。過去この売却案は出ては消え、出ては消えということで、金市場関係者にとっては“また出たか”という感じだ。かつて金価格が欧州を中心とした公的売却で低迷していた折には、この話が出るだけで価格は急落していた。ただし売却については出資国の投票で決せられるのだが、全体の85%以上の賛成が得られないと売却できない仕組みとなっている。ところがその投票だが出資比率により投票権には軽重があり、米国は一国で17.2%を割り当てられている。つまり米国は実質的に拒否権を持っており、その意思を決める米国下院の決議で売却案は蹴られる(あるいは蹴られる可能性が非常に高い)ということで、却下されてきたという歴史がある。

今回は従来以上に盛り上がっているのは金価格が上昇していることもあり、売却の話が出ても環境面で市場に以前ほどの混乱は見られないだろうという見通しもあるからだろう。実際に足元の金価格は、売却案の浮上に多少の影響は受けているものの動揺は見られない。米国は反対との見方が定着していることもある。今回、興味深いのはラトIMF専務理事の諮問機関として5月に発足した8名からなるパネルのメンバーにグリーンスパン前FRB理事の名前があること。それと売却に際し政府間取引で他の中央銀行に引き取ってもらえばいいという意見のあること。このあたりで中国の名も出ることもありそうだ。さてさて、どうなるか。

写真は先週末の福岡便から撮った富士山。冬山になっている。

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