亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

問題対処にさらにカネが・・・

2012年05月31日 19時59分30秒 | 金市場
スペイン金融への資金注入を巡る不透明にイタリア国債の入札不調。一方でドイツ2年債ゼロ金利に米国債過去最低利回り更新(価格は高値更新)で「リスク・オフ」モード全開の30日のNY市場で、株安、対ユーロで2010年7月以来のドル高、原油その他もろもろ安の中で金も午前の早い段階で1530.4ドルと昨年末に記録した直近の安値近辺まで売り込まれることに。

この水準は過去2週間で3度目となるが、過去2回は下値を切ることなくその後反転したものの、ユーロが下げ足を速めていることもあり3度目の今回はこれまで以上に緊張が高まった。仮に下切ることになるとファンドの売りプログラムにスィッチが入り下げ足を拡大する可能性は大きい。ところが、そこを境にジワジワ上昇。売りの波に耐え、一巡感が出るとともに逆にテクニカルを評価した買いモードにスィッチは切り替わった。にわかに「ヘッジの金」が復活した。しかし、まだ疑いの中。

不透明要因山積ゆえに、結論は早いのだろうが、要は緊急時に中銀による十分な流動性供給体制・・・・つまり信用危機、クレジットクランチを起こさない、金融機関同士の取引が曲がりなりにも持続する環境を維持できれば、何も「キャッシュ捻出」を名目に金を売る必要はない(先物は別)わけで、足元は不安心理蔓延が阻害要因のひとつ。主要中銀としても、2008年秋の環境を再び作ってしまったらアウトという認識だろう。あの時は、まさに“え!!!潰したの!!!”という“ショック”だった。今は慢性疾患の病状悪化の先行きを、あれこれ心配し、シナリオは描けている。それでも派生的な不覚の“ショック”の発生を恐れる市場。いずれにしても、 ゆる~~~い金融環境は止めるわけにはいかないわけで、むしろこの状態が普通といえるが、問題対処にはさらにカネが要るという方向性は変わっていない。明日から早くも6月。雇用統計の洗礼。サプライズはあるか。

赤い線が5月30日の展開。青の前日と逆。

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1 コメント

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Unknown (habutti)
2012-06-01 23:25:02
ここに来て金価格は1610ドルを超えてきてますね。先行きどうなるのか全然わかりません。
でもギリシャの人々はかなり厳しい世渡りになりそうですね。
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