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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

デフレ環境を恐れインフレ放置のFRB

2021年07月15日 22時35分48秒 | 金市場
注目のパウエルFRB議長の証言内容はヘッドラインがハト派の印象となり、市場の反応はそのようなものになった。冒頭の発言は、事前配布のテキストなどでおおむね内容は市場に織り込まれる形になったが、改めてここまでの緩和策解除に向けてのFRBの慎重姿勢が示されることになった。

もっとも、解除について「まだ先」とはするものの、テーパリング(資産買取りの段階的縮小)については、今月末の7月の会合にて時期や構成について討議すると明言するなど、単なるハト派的な発言とは一線を画しているのも事実で、ハト派トーンを前面に押し出しつつ、タカ派的要素を細部に宿らせたという印象だった。パウエル議長が掲げる建前というと語弊がありそうだがスタンスは、「景気回復が完了するまで」、FRBは金融政策を通じて経済に「強力な支援」を提供するというものに変わりはない。

議員との質疑応答が注目されたが、予想通り足元のインフレに関する質問が出た。インフレについては、想定よりも速いペースで上昇したとしながらも、現在の高インフレは今後数カ月間で和らぐ見通しとして、これまでの見方は変えていない。こうしたインフレは一時的との見方に疑問を投げかけられたが、「予想や望ましいとされる水準を上回っているものの、なお(FRBの予想と)合致している」とし、「目標を大幅に上回るような状況が続くと判断されれば、手持ちの手段を使ってインフレ率を引き下げる」としている。その一方で、「インフレ率が今後鈍化すると予想される中、早まった行動を取るのは間違い」と発言している。

FRBは、インフレよりもデフレ環境を怖がっているのは以前から変わらず、インフレは対処できるがデフレには手の打ちようが限られるというスタンス。

がから、インフレを放置しようとしている!!

こうした内容を受け、10年債利回りは一時1.34%と前日の1.42%から大きく低下。今夜は現在1.317%とさらに低下。昨日一時は3カ月前の高値水準に接近し92.83ポイントまで上昇していたドル指数(DXY)も、前日比マイナス圏に落ち92.41で終了していた。今夜は足元で92.55まで上昇。

そろそろ2日目の上院金融サービス委員会でのパウエル議長の証言が始まる。現地午前9時半からの予定。本日発表されたイニシャルクレイㇺ、つまり週次の新規失業保険申請件数は、36万件だった。前週の38万6000件から減少。そろそろ失業給付の特別加算打ち切りの効果が出始めたか。フィラデルフィア連銀景況指数は30.7から21.9へ急落の一方でNY連銀の指数は17.4から43へ急浮上。まったくの、まだら模様でこれはFRBも判断が難しい。

本日のNY金は切り上げた高値水準を維持するのに四苦八苦の様相。

明日のJPX(日本取引所)グループ 大阪取引所のライブWebinar申し込みの皆さん、どうもでした。
おかげさまで定員オーバーとなりました。




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