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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

政策余地

2007年03月22日 23時13分26秒 | 金融市場の話題
日本時間の午前3時過ぎに発表されたFOMC声明文。金利据え置きは多くの予想通りだが、昨今のサブプライム・ローン(信用度の低い借り手に対する高金利住宅ローン)騒動と直前の世界連鎖株安という、心理的にも影響が残りやすく不透明な要因を排除するという目的があったのだろう、“状況によっては利下げもあり”という意思を示すものとなった。株式市場はこれを素直に好感、NY株式市場は発表直後から150ポイントの棒上げ状態。これを受け東京も日経平均は256円高。もちろん金市場にとってもウエルカム。「利下げ含みの据え置き」ということなら、変動の原動力がもっぱら金利差となっている最近の為替市場では、ドル安見通しが高まることになる。結局、金市場の買い材料ということに。それにしても、やはり連続17回にわたり様子を見ながらコツコツと利上げを続けた意味が出てきた。状況によっては利下げという意思を示すには十分な金利水準に達しているということ。FRBは政策手段を持っているわけで、先行き減速ならぬ景気後退懸念が出てくれば利下げで対応可能というメッセージを市場に送ったということ。利上げのタイミングを逸し続けてきた日銀には、この政策手段がない。WSJからグラフを拝借して掲載してみるが、改めて眺めると、なるほど利下げ余地があるのがわかる。すなわち、こうしたこともFRBが影響力を維持できている背景のひとつ。

サブプライム問題の先駆けとなり100億ドル以上の引当金を積んだHSBCだが、それでも最高益更新だからね。金融機関の懐も深くなっている。

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