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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

原油取引、イランがドル以外を要望

2007年03月23日 19時48分56秒 | 金融市場の話題
昨夜の為替市場でちょっとした材料になったものにイランが原油輸出の決済にドル以外の通貨を求めているというニュースがあった、と今朝ある通信社の記者氏から電話をもらった。調べるとReutersが流したもので、国営イラン石油公社の国際問題担当者が語ったもので、原油輸出に際しドル以外の通貨での決済を求めており、ヨーロッパでは(彼らのクライアントの)すべてが、アジアでもいくつかのクライアントが応じているというものだった。理由は政治的なものではなく経済的なもので「ドルが弱いから」としている。既にイランの石油収入の57%はユーロ建てになっているとも。当方に電話をくれた記者氏のところでは、この「アジアのクライアント」という部分に興味を示し電話取材をしたんだそうな。そうすると国内では、「申し出はあったがそう強いものではなく、そのままになっている」という返事が見られたと。

確かに産油国からすると、過去5年にわたるドル安は(・・・・ドルが安いとは日本にいるとピンとこないけど)ドルでの取引を前提としているだけに実質的な目減りを意味する。特にユーロに対して売られているので、輸出代金をユーロでくれというのはわかる。UAE(アラブ首長国連邦)などは外貨準備の10%をユーロに、もう10%は金にすると中銀総裁が公言し、実際にユーロを買い始めているのは金を見ている者の間では知られた話ではある。その背景にもさらなるドル安見通しがある。原油の輸入代金を自国通貨建てに出来ると強い通貨を持つ国は、エネルギーコストを抑えることができる。日本も円での決済ができるなら、それにこしたことはない。

「果たして日本の企業はそんなことできるでしょうか?」、「いや、できないでしょう」、「ドルの取引に風穴を開けるようなものなのでアメリカに睨まれるでしょうからね」、「多分、他がやれば検討しようということで、結局誰も自ら鈴をつけに行くようなことはしないね」、「外交マターでもありますしね」・・・・。「韓国ならどうでしょう」、「韓国も難しいだろうけど、日本より可能性はあるかも」・・・ということでした。

本日は10年ぶりにパスポートを更新して受け取ってきたが、なかにICチップが埋め込まれており、顔写真から旅券番号、氏名、生年月日、本籍などなど機械にかざせばディスプレーに映し出されるので驚いた(実際に映して見せてくれる)。写真も以前に比べ被写部分の面積が広くなっているので、それでなくともデカイ顔が存在感を増して、パスポートを開きたくなくなるのだった・・・。これを偽造するのは手強いぞぉ~~~~。

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4 コメント

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イラクでもあったような・・・ (biaslook)
2007-03-23 22:09:28
デジャブ。。。
イラクでも同じことがありましたね。あれはいつのことだったか、ご記憶なら教えてください。
また、他の産油国に関してはどうなのでしょうか?
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イラク戦争前でした (トマトマト)
2007-03-23 23:52:26
そうイラク攻撃の理由のひとつだった様に聞いた記憶があります。

今イラン周辺に空母が2隻あって、以前と似た風景があったりします・・・・・・
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フセインが要求 ()
2007-03-24 00:18:20
当時国連監視下にあったイラクの石油輸出でフセインが国連に対し原油代金の受け取りをユーロ建てにしたいと申し出て、認められたと記憶しておりますが・・・・。あとは明日にでも本文に書きましょう。
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タイムテーブル (biaslook)
2007-03-24 15:03:18
イラク戦争前にフセインが要求したのは覚えているのですが、タイムテーブルとしては、戦争の何ヶ月前だったですかね。国連安保理決議の時期と比較するとおもしろいですよね。
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