亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

5月の米NFP10万人割れでNY金、年初来高値面合わせ

2019年06月07日 22時50分08秒 | 金市場
予想外のADP全米民間雇用調査の下振れで警戒感が一気に高まった労働省発表の5月の雇用統計。前月比の(非農業部門)雇用者増加数(NFP)は、ネガティブサプライズといっていいだろう。予想18万5000人に対し、7万5000人と10万人を下回ることに。ちなみに4月は26万3000人増だった。この数字もサプライズだったけど・・・。ADPの2万7000人増に沿った結果となった。製造業はわずか3000人の増加にとどまっている。明らかに報復関税合戦の影響だろう。失業率は横ばいの3.6%で市場予想に沿った結果に。平均時給の伸びは予想を下回った。そのうち、と言われながらこちらも加速は見られない。

この結果を受けて10年債利回り(長期金利)は。2.016%と低下。為替市場ではドル全面安でユーロドルは1.13ドルを超えてきた。DXY(ドル指数)は下がるわけで、金は買われ日本時間の22時10分時点で高値は1349.80ドルまで見ている。この数字、年初来高値に面合わせ。現時点で超えていない。間もなく株式市場が開くが、株価の影響を受けそうだ。早晩1350は突破すると思うので、慌てる必要はなかろう。

5月5日のトランプ・ツィート以来、「米中問題」が楽観ムードの株式市場に水を差したが、先週末の制裁関税を脅しの材料に使ったメキシコにディールを求める姿は、明らかに行き過ぎで、さらに金融市場の地合いを悪くした。その言動から関税は相手側が払うと思っているらしいのだが、支払うのは言うまでもなく米国の輸入者。増税コストをそのまま価格転嫁できればいいが、価格競争上フルには無理で利益を削ることに。当然他のコストカットに走るわけで、採用の見合わせということにもつながる。製造業の3000人増は、むべなるかな。

ここまで書いたところで、株式市場はジャンプアップ・スタートとなっているところを見ると、利下げ期待ということか。どこまでこの材料でもつのかねぇ。
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