4月18日のNY金は3営業日ぶりの反発となった。NYコメックスの通常取引は前日比12.70ドル高の2019.70ドルで終了。
連邦準備理事会(FRB)関係者が連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして政策を巡る発言を控えるブラックアウト期間に22日から入るのを前に、今週は連日複数のFRBメンバーによる講演など発言機会が予定されている。18日は早朝の時間帯に市場でも注目度の高いメンバーのタカ派発言が伝えられ、NY金は10ドルほど水準を切り下げる場面が見られた。その際の安値が2003.30ドルだったが、これがこの日の安値となった。
ただし、売りが一巡すると切り返しも早く、早朝に付けていた2018ドルの水準を上抜けるとそのまま2024.60ドルまで上昇した。しばらく2020ドル超で取引が続いたものの、終盤にかけてやや売りが先行し通常取引は前述のように2019.70ドルで終了した。
18日はアジア時間に中国国家統計局が今年1─3月期の国内総生産(GDP)を発表。前年同期比4.5%増と、伸び率は昨年第4・四半期の2.9%から加速し、1年ぶりの高水準を記録。市場予想の4.0%も上回った。3月の小売売上高も前年比10.6%増と、予想を大きく上回り、約2年ぶりの高い伸びとなった。4~6月期にかけて一段と回復基調が強まるとみられることから、この日はプラチナが前日比37.70ドル高の1097.30ドルと今年1月9日以来3カ月半ぶりの高値を付けた。パラジウムも1642.90ドルと今年1月26日以来の高値で終了した。産業用需要の回復を期待する買いとみられる。中国景気の回復は、景気後退観測がくすぶる米国景気の現状を意識させ、為替市場でドルの売り手掛かりとなりドル指数(DXY)が低下したことも、貴金属全般を押し上げた。
ところが本日19日アジア時間の午後、ロンドンの早朝の時間帯から売り先行の流れに転じ下値追いの流れが生まれた。2000ドルの節目では買いが入り売り買い交錯状態に。ただし、次の波で2000ドルを割れると、このところ膨れ上がっていたロングの投げとみられるが、ストップロスを巻き込んだ久々の急落に見舞われている。
金のみならずコモディティ全般に売りが広がっており、現時点で背景は不明。
ここまで値幅整理よりも、日柄整理のイメージだったが、値幅を考慮すべきか、本日のNY時間の値動きを注視ということになる。