亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

渡りに船のロシアの提案

2013年09月11日 23時10分52秒 | 金市場

ロシアが(唐突なのか、用意周到なのか)提案したシリアの化学兵器を国際管理体制化に置くという話は、オバマ政権にとってまさに「渡りに船」となった。面子を潰すことなく(個人的にも合衆国としても)袋小路に入りかけた自らの決断からの救いの一手となった。オバマ政権は、軍事行動の可能性を強く押し出したからこそ先方の譲歩を引き出せたということで、“振り上げたこぶし”を静かに下ろすことができる。しかし、シリア問題はこれからも目に見えるような改善は見られず、下手をすると“あの騒ぎ”何だったのか?ということになりそうだ。

変わったのは化学兵器の保有自体を正式に認めていなかったシリアだが、ロシアの提案に乗るために認めざるを得なくなったこと。これまでシリアはイスラエルの核に対抗するために化学兵器を保有していることは公然の秘密とされてきた。こちらにも、とんでもない被害をもたらす強力な兵器があるんだと相手(イスラエル)を脅し、もって抑止効果を狙おうというものだったのだろう。イスラエルとしては、何か機会があればこの目障りな兵器を処分したいと思っていたことだろう。代わりに米軍のトマホークが叩こうとしたものと思われる。確かに、テロ組織にそんなものが渡ってしまえば、これは米国にも危害を加える可能性はある。直接的な利害関係者は、やはりイスラエルであるのは言うまでもない。

昨夜から既に金は緊張緩和を材料に売られたが、1350ドルに突っ込むと買戻しの動きも見られ、この材料で売り込むには無理がありそうだ。そもそもシリア抜きで1380~90ドルどころまで来ていたのだから。シリアは1400突破も材料にはなった。

シリア問題は、この後どう展開し、それが連邦債務引き上げ法案の審議にどう影響していくかに注目している。政治イベントの本命は、これから、なのだ。

インドについて書こうと思っていたが、明日にでも・・・。



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1 コメント

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Unknown (ささやか)
2013-09-12 05:22:09
シリアが化学兵器の保有を認めたのはイラクの例があるからなんでしょうね。あの時アメリカは核兵器保有の理由で実際にイラクを攻撃したのだから…
戦争になったら、結局普通の国民が塗炭の苦しみにあえぐのだから、まずはホッとしました。
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