亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

数羽現れた?「炭鉱のカナリア」 

2021年04月01日 22時55分55秒 | 金市場
四半期末となった3月31日のNY市場の金価格は、大幅反発で1700ドル大台回復となった。

昨日はここに「ダウ・ジョーンズなどでは1670ドル割れれば、結構下に行くという見立てを流していたりするが、どうかな。むしろ、ここから長期金利がさらに上がる中で、どこまで売られるのかという方に興味がある。ここからそれほど下げないと思っているのだが。1700ドル割れではアジア実需の買いが控えているが、今週に入っての2営業日の下げは、短期のショートを建てたものと思われるので、ファンドは小刻みにカバーする(買い戻す)のではと思うが、どうなるか」、とした。結果的には、まぁ期末ということもあったのかもしれないが、やはり腰の据わったショートではなく、小すくいの目先筋の売りだったようだ。

本日は、昨日の予告通り夕刻に事務所でショート・トークとしてポッドキャストの収録をやったが、ぜんぜんショートでなく15分ほどしゃべってしまった。1つの参考意見として聞いてもらえればと思うが、内容のタームつまり時間軸は3~6カ月とかそういうイメージなので、そのあたりを聞かれる場合は念頭に置いてもらうということで。

ファミリー・オフィスのヘッジファン「アルケゴス」については、本日夕刻にも「みずほ」が損を出すと報じられた。100億円程度になりそうということだが、数千億円というものから小さくても100憶円と、なっている。この規模のヘッジファンドとの取引は数多いと思われるが、それでもこうした損失が同時多発的に発生する可能性もなくはなく、仮にあればいろいろ飛ぶところが出てきそうだ。その時は、パニックだろうが・・・・。つまり、それだけ長期化したFRBを中心にしたカネ余りにスポイルされた市場は、売られても浮上、売られても浮上を繰り返すうちに、リスク感覚はさらに鈍くなっているということだろう。

昨日は、ロンドン市場でのウーバーイーツの英国版、料理宅配サービス大手のデリバルーの新規上場がよもやの展開になったことも話題となった。日本円にして1兆1000円(76憶ポンド)規模の大型上場だったらしいが、初日に最大公募価格から31%売られ、引けは26%で終了となり、市場関係者は????らしい。何なんだ!!と。そりゃ、そうだろう。公開価格を高めに設定し過ぎたのかと調べれば、一応、レンジの下限で決まったと。いやいやいや、それ以前に押し上げられていた、ということではないかと。わかったのは、英国のEU離脱で金融の空洞化、地盤沈下を恐れる英当局が規制緩和を進め、上々を認めたという経緯があるということ。こんな、ところでも規制を緩くした咎(とが)が。

ある為替ディーラーが盛んに使い、自分自身も気に入っていた言葉「砂上の楼閣、机上の空論」が思いうかんだが、前半の「砂上の楼閣」のイメージ。もっとも、自分自身は「机上の空論」と言われぬように修行の日々。これ、マジで。

本日、Gold Voice 夕刻に更新済み。



(Anchor)https://anchor.fm/goldstreet1
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