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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金反発、円急騰起きているのはドル急落

2024年07月24日 22時37分48秒 | 金市場

7月23日のNY金は5営業日ぶりに反発した。前日までの下げで値ごろ感の買いが入り、自律反発的な動きがやっと出たと言える。通常取引は前日比12.60ドル高の2407.30ドルで終了した。

 

FRBによる9月利下げ着手観測の高まりに反応し、先週前半に2営業日にわたり過去最高値を更新していたNY金。足元でそれ以上の手掛かり材料はなくモメンタムの失速で反落。先物市場にて前週1週間で重量換算で103トンものファンドの買い越しが増えていたことから、一転し整理売りに見舞われていた。

節目の2400ドルを割れ下値を探る動きに移行していたが、この間の安値は前日の2385.20ドルだった。急騰した相場は、その後の下げ幅が拡大することが多いが、この水準は7月上旬まで見られていたレンジの上限にあたるもの。いったんは、そこで下げ止まったことになる。

次の展開は、今週発表の注目指標の25日(木)6月米実質GDP速報値と同じく26日(金)6月の米個人消費支出(PCE)価格指数の結果によるといえる。また比較的押しが浅いのは、市場全体に広がっている先高観の強さの現れでもある。

 

昨日はドル円相場について取り上げたが、23日も投機筋による積み上がった円の売り持ちを解消する動きが強まり、ドル安円高の流れが続いた。23日のNY時間の円の高値は155.56円だったが、24日の日本時間午前には一時155.18円まで付けている。日銀の追加利上げが近いとの見方も意識されている。ドル建て価格が現在の水準で一定とした場合、ドル円相場1円の変動で国内価格は77~8円の変動となる。終値ベースでドル円相場の直近高値(円安)はFactsetのデータで7月2日の161.27円だが、23日は155.59円となった。

この間の円高は国内価格には約430円の押し下げ圧力がかかったことになる。

 

とここまでは、昼間書いたが24日NY時間の午前高ここまでのところ153.76円までドル安(円高9は進行している。起きているのは円高でなくドル安という認識が大事だと思う。ゴールドは上がるが、国内では円高で相殺される。

 

金市場の材料では、23日インドがゴールドとシルバーの輸入関税の引き下げを発表した。15%の税率を6%に引き下げるもので、内容は基本関税を5%にし、そこに農業基盤開発税(AIDC)1%を加えるというもの。

厳密にはインドのゴールド、シルバー輸入関税は5%ということになるが、実際の税率は6%となる。

 

インドはゴールドの需要大国だが、政府にとっては不要不急のモノの輸入が多いことで経常収支赤字が続いていることが課題の一つだった。そこで2010年代以降段階的に当初2%だった輸入関税を一時20%まで引き上げた経緯がある。政府はゴールドなど買うなというわけだ。ただし、それは一方で密輸や一次精錬の地金の輸入の増加を招いていた。

現在では15%となっていたが、インドの総選挙が終わり、新政権での見直しが行われたとみられる。通常は予算見通しに沿って春に発表されることが多い。

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