引き続き続き英国の国民投票の結果に対する楽観的な見通しが金融市場で広がりを見せる中で、金市場では反落を警戒するファンドの益出し及び手仕舞い売りが出ている。先行して「残留」を織り込みに掛る動き。“噂で売って”、“事実で買い戻す”パターンだが、結果が異なると言うまでもなく大波乱必至ということでもある。
さすがに投票日が迫ってくると、いろいろあって21日にはサッカーのデービッド・ベッカムが残留支持を表明。ハリー・ポッターの作者、JKローリングも残留支持。一方、離脱支持はローリング・ストーンズのミック・ジャガーや存在感のある名優マイケル・ケインなど。両サイド共に影響力がありそうだ。
昨日は、イエレン議長の年に2回の議会証言。FOMCが終わったばかりでもあり、1週間で内容が替わることはないものの、この間の市場の反応や新たに発表されたり、起きた出来事もあり、細かなニュアンスの変化もあるやも知れずということ。今朝流れたニュースやコメントの類は、“FOMCの内容に沿ったもので目新しさはなかった”というものが大半だった。実際に足元の景気の先行きには楽観的な見通しを示したものの、利上げには慎重なスタンスで臨む意向を示した。
注目すべきは、大規模で異例な緩和策を取ったにもかかわらず、一向にスピード感の高まらない景気拡大に対し、これまでは時間の問題で早晩加速する、という判断を繰り返していたが、生産性の伸びの鈍さなどから(回復の)エンジンの回転数は急に落ちはしない(景気後退)が、以前のように上がらないかもしれないというニュアンスの話をし始めていること。ならば利上げは拡大の阻害要因になる可能性も出てくるわけで、慎重に・・・ということになる。
なお、英国の国民投票に関連し、以下のサイト(YouGov)で現状の地域別の残留、離脱の優勢度合いをみられるようだ。
https://yougov.co.uk/yougov-8545/