先週はダボス会議に出向いている通貨当局者の発言・・・といっても日米のみだが・・・でドルの振れ幅が大きくなった。現地24日のムニューシン財務長官による“ドル安は素敵だ”発言。
当然ながらドル全面安となったことを受けて、ウィルバー・ロス商務長官が、基本的に対ドル政策は変わっていないとフォローに走ったが、本人は保護貿易礼賛的な発言をしたことから、当然ドル安歓迎なんだろう・・・と市場にスタンスを見透かされ(?)ドル安の流れは変わらなかった。そこでホワイトハウスの報道官まで真意が伝わっていないとか言い出す展開で、結局、報じられたようにT大統領自身が「米国は絶好調だ。再び経済的に非常に強い国になりつつあるので、ドルはどんどん高くなるだろう」としたことで、急反発。金も一時は前日の高値から20ドル以上売られることになった。
しかし、この反発は長くは続かなかった。。。ユーロドルもドル円も動きが一巡した後に流れが反転とはいかなかった。せいぜい止めた程度。ドル円に至っては、大統領発言でも110円台に乗せることさえできなかった。そして26日の「2%のインフレ目標の達成を非常に難しく、時間のかかるものにした要因は数多くあるが、ようやく目標に近い状況にあると思う」という黒田発言。FRBに続きECBも出口に向かって歩みを進める中で、5年も経過してなお成果が上がっていない・・・・と見られているが、そんなことはないんだ・・と主張したかったのか。ダボス会議という環境のならでは、ということで飛び出した発言というべきか。否、何をいっても聞く方に出口バイアスが掛っているだけに、そう受け止められるということか、ドル円のみ大きく反応。
そもそも安倍政権に「デフレ脱却宣言」を出し成果を世に訴えたいという意向があるようで、黒田さんも大変なんだろう。いずれにしても、円安ではなく、円高ベクトルの存在感の大きい状況が続いている。
今週は、本日の米個人消費支出(PCE)物価指数を皮切りに、トランプ大統領の一般教書演説、イエレン議長最後の連邦公開市場委員会(FOMC)にISM製造業景況指数、さらに米雇用統計と続く注目のイベント週なので、それぞれの結果にドルがどこまで戻ることができるかが試される。それに沿って金も上下。
はやくも1月最終週、。。