ローマの皇帝たちは、国民の支持を得るために、「パンと見世物」を提供した。このことは世界史の教科書でおなじみだが、しばしば「バラマキ」が過ぎて財源不足に陥ってしまい、皇帝たちは国民の財産を略奪するようになる(カリグラ38、ネロ32、ドミティアヌス12)。
シュペングラーは、「民主政治とは金権政治である」と書いているが(「西洋の没落」)、独裁政治も金権政治なのだった。
と、まじめなことを書いたが、この作品の読みどころはやっぱりエロ関係。ティンコミウス、マルコマンニ、クィントゥス・エロギウス。声に出して読めないヒワイな名前がいっぱい出てくる。
イタリア人は子供の頃からスエトニウスのこの作品を読んでいて、オーラルセックス、男色、近親相姦に慣れ親しんでいる。日本人はとてもかなわない、と改めて思ったのだわ。うふっ。うふふふふふっ。