京都には初夏5月の葵祭(あおいまつり)、盛夏7月の祇園祭(ぎおんまつり)、
秋10月の時代祭(じだいまつり)といった三大祭と称されるお祭りが有名です。
ところが何十万人もの観光客に囲まれてなかなか近くで見るわけにはいきません。
その点マイナーな祭りはひっそりではありますが、歴史を感じながらジックリと
拝見することが出来ます。
たとえば今日は京都市右京区の嵯峨野嵐山地域で
愛宕、野宮両神社での嵯峨祭
20日は神幸祭。清凉寺前の御旅所に神輿が並びます。27日には神輿、剣鉾、稚児行列が嵯峨野一帯を巡行
車折神社の三船祭
新緑の嵐山・大堰川(おおいがわ)において優雅に繰り広げられる平安王朝を偲ぶ舟遊び絵巻
二つの祭りがありました。
いくら近くても二つの祭りを巡るには無理があるので三船祭の方に行きました。
車折神社の例祭で、約1100年前、宇多上皇が大堰川に 御幸の際、舟遊びを楽しんだ
ことに始まり、その後、和歌・漢詩・奏楽に長じた者を3隻の船に分乗させて浮かべ、
舟遊びを楽しんだという故事によります。 車折神社の公式HP
正午に車折神社にてお出ましの式から始まります。
数十名の神主や社務所の職員、巫女、雅楽の舞手、稚児が境内の摂社・末社などから
斉行を始めご本殿にてお供え物をしたりして、ご神体をお連れする準備をします。
ご神体が丁重に運び出されて牛車の御所車に祀られ、午後一時には神社から約1kmの
道のりを嵐山の大堰川まで行列して渡月橋を渡り舟に乗り込みます。
2時頃には全員が舟に乗り込んで
保津川下りの船の終点あたりの中心にご神体の御座船を中心に竜頭船は管弦・舞楽船に、
鷁首(げきす)船は献茶船となり、その他、詩歌、俳諧、書画、稚児、長唄、謡曲、小唄などの
船約25隻が、渡月橋上流で大宮人達の優雅な遊びを再現します。
川には舟から扇が流され、見物者がこぞってそれを拾い上げます。
何かを祈ってとか豊作に感謝してとか言った神事ではなく、優雅な遊びが中心なので
終始ゆったりとした祭りで進みます。
それでも東日本大震災の被災者さん達も招待されていて、各船に2~3人ずつ乗っておられるとか。
川原では日本語より外国語の多い観客が見守っていました。
デジブック 『車折神社の三船祭』