こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

被災地の状況から学ぶ

2012-07-27 08:21:53 | 脱原発・危機管理

7月27日市民タイムス

■「復興が進まないのは、瓦礫処理が進まないからではない!」
元衆議院議員で気仙沼在住の菅野哲雄氏は語気を強めた。「政府は、いかにも瓦礫処理が進まないから復興が進まないかのように言って、受け入れを表明する自治体と、そうでない自治体の対立をあおっているが、とんでもない話だ。瓦礫のほとんどが第1次仮置き場に搬入されており、今後県によってリサイクルが行われようとしている。むしろ復興が遅々として進まないのは、政府の復興方針がいいかげんだからだ。気仙沼では80センチの地盤沈下があり、そこに1.8メートルの盛土をし、住宅地はさらに5メートルのかさ上げをするというが、どこからその土をもってくるのか、海岸端は集団移転をするというが、そもそも住むところがないから、津波の恐れのある海岸端に家を建って被害にあったんだ。神戸の復興と同じように町場で区画整理事業で復興を進めるといっても、三分の一減部で誰が買ってくれるのか、同じように行くわけがない」と復興の課題は、瓦礫処理だけではないことを強く訴えられました。
■焼却灰の最終処分は何?であろうと政府の責任で管理すべきだ!
 そして「瓦礫を受け入れない理由として『現地が雇用対策を含めて瓦礫処理をすると言っている』という人がいるが、これもとんでもない言い方だ。現地はこれ以上ないほど頑張っている。瓦礫を受け入れたくない理由は放射能の汚染でしょ。それだったら、私たちも放射能を拡散させてはいけないという問題意識をもっている。ただ1年以上も放射能に汚染された瓦礫のなかに私たちは生きている。この放射能の問題をどうしてくれるのか!政府が最終処分管理の責任を明確にすべきではないか」と訴えた。
■震災瓦礫の実態
 5月に瓦礫量の見直しが行われた。海に流出した分や、今後解体する家屋の量を算定し直した結果、宮城県で処理できる分が676万トン、広域処理を求めている分が114万トンと算出。この114万トンの内訳は再生利用分47万トン、焼却処理28万トン、埋め立て処分29万トンである。
 宮城県の広域処理を求めている瓦礫のほとんどが石巻ブロックのもの。これまでに140万トン処理したが、この量は岩手県全体の2.4倍、仙台市の5.4倍の量で、青森八戸セメントや市内の合板工場「セイホク」で再生利用している。残りは312万トン。このうち173万トンは石巻ブロック内で処理、県内処理45万トン、広域処理73万トン、リサイクル21万トンと見込んでいる。
■矛盾する廃棄物の処理基準
国は8000?以下なら一般廃棄物として埋め立て処理をしているが、管理された状態では3000?程度まで、例えば道路の路盤材などにコンクリートくずを利用できるとしている。一方で原子力安全委員会はクリアランスレベル(放射性物質として扱う必要がない物)を100?としている。これでは、何がいったい正しい基準なのか分からない。
ゴミ処理は自治体固有の課題であると言っても、そもそもこの放射能に汚染された瓦礫は国の政策で進めた原発によるゴミであるから、これを自治体の責任とすることはできない。
■ギリギリの自治体職員
 一般業務に加えて、震災業務をこなす自治体職員は大変疲弊しています。合理化につぐ合理化を行いスリムにしてしまった中で「役所は何をやっている」という住民の不満が投げかけられ、気の抜けない毎日です。そこへ予算規模で例年の5倍の予算をこなしているわけです。
 こうして努力を続けているにも関わらず、被災時に救援活動したにもかかわらず勤務実績を認めず時間外の支払いを拒否する首長もいます。
 自治体職員の病気休暇が増え続け、特に心を病む職員が増えています。宮城県は国に対して土木、福祉、税務関係の職員1,262人を要請しています。
 南三陸町防災センターで最後まで避難を呼びかけた遠藤未希さんのことが埼玉県の教科書副読本になるそうですが、しかし亡くなった命は戻りません。美談ではすましてはならない自治体職員のこれからの課題についてきちんとしていかなければなりません。

コメント
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