リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハのリュート作品(4)

2007年09月09日 09時43分57秒 | 音楽系
BWV995をホ短調ではヘ短調で演奏しているのがホプキンソン・スミスです。シャープひとつしかないホ短調の曲をなんでまたフラットが4つもあるヘ短調にと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、技術的には大差なくどっちも難しいです。技術的にはさらに1音あげた方が楽になる(それでも難しいことには違いありませんが・・・)と思いますが、その1音上のト短調では今村泰典が編曲しています。ホプキンソン・スミスのヘ短調版と今村泰典のト短調版はそれぞれ出版されていますので、興味のある方は比較されるとよいと思います。両編曲とも大変緻密で合理的な運指が施されています。

私は一全音上げた嬰ヘ短調(シャープ3つです)にしたらどうかと思ってますが、まだ編曲してませんのでなんとも言えません。あと部分的ですが、ニ短調の編曲も見たことがあります。私が計画している嬰ヘ短調も入れると、何と5つの調で編曲が行われるわけです。で、いずれも決定打がないと・・・。(笑)

あとずいぶん昔の演奏ですが、ギタリストのナルシソ・イエペスが原調のホ短調で演奏しています。ただこれは彼独自の発想でホ短調調弦のリュートで演奏されています。彼は専業のリュート奏者でもないし、まぁこんな演奏もかつてあったんだという程度にとらえるべきものでしょう。