リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハのリュート作品(18)

2007年09月26日 09時53分45秒 | 音楽系
1006aのロンド風ガヴォットは大変有名な曲で、ときどきテレビのコマーシャルなんかでも使われることがあります。このあたりは私のブログにいろいろ書いてあるので、興味のある方はご覧になるといいと思いますが、ガヴォットの旋律を聴いて、「トラベルセットがあったっるぅ~」とついつい歌ってしまう人、もしくはその意味がわかる人は相当年期が入った人です。(笑)

私の師匠であるホプキンソン・スミスのレッスンで、一番初めに弾いた曲がヴァイスのト長調のトッカータでした。結構さらっていたので、少しくらいは自信を持って弾き終えたんですが、彼のことばは「うーん、上手いけどまるでニュー・ヨーク・フィルみたいだねぇ」でした。これはもちろん決してほめ言葉ではありません。というかほとんど今までやってきたことを否定されたような感じすらしました。そこで心機一転、気持ちを入れ替えて取り組んだのが、ロンド風ガヴォットでした。アレンジも別にオリジナルから起こしなおしてレッスンを受けました。編曲自体の検討もレッスンで行いましたので、結構仕上げるのに時間がかかった曲ですが、私のスイスにおけるレッスンの実質的なスタートを飾った曲として、思い出深い曲です。