リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハのリュート作品(14)

2007年09月22日 13時08分13秒 | 音楽系
999番のプレリュードは音域といいアルペジオの雰囲気といい、いかにもリュートって感じがする曲です。でもこの「いかにも」というのはリュートを弾かない人の感じ方のようです。リュートの都合という点から見ると、ちょっと違うんだな、これが、って感じですねぇ。バロックリュートでこの曲を弾くと短い曲のくせに結構技術的に難しいほうです。まだ試したことはないですが、一音上げてニ短調で弾いた方が楽そうです。

今村編曲では、8コースをファではなくファ#に調弦しています。ハ短調のバスの調弦としてはちょっと特殊な調弦ですが、これでぐっと楽になります。でもこの曲をコンサートで取り上げるとき、調弦の関係で、フラット2つか3つの調の曲と組むことになりますが、999番だけファ#にするのは何となく面倒くさい感じです。長い曲ならいざしらず、わずか1,2分の曲ですから。よって演奏される機会はぐっと減ってしまうということになります。歴史的にはどうかと思いますが、技術的にはGチューニングの楽器で弾いた方が遙かに楽です。そういや、ルチアーノ・コンティーニって人はバッハのリュート曲をGチューニングの楽器で弾いてましたねぇ。