1006a版は1006番の枝番ですが、一応リュート曲とされています。でも問題はこの曲のホ長調という調性です。バロック・リュートでイ長調というのはたくさんありますが、ホ長調というのは希です。ヴァイスはホ長調の作品は書いていません。リュートにおいて弾きやすいとか弾きにくいの目安になるのは、その調の主要な和音の音が開放弦にあるかどうかということです。(7コース以下のバス弦は除きます)例えばイ長調ですと、主和音ラド#ミのうちラが3コースと6コース、下属和音のレファ#ラのうちレとラが2、3コース、5、6コースで開放弦にあります。属和音ミソ#シについてはどの音も開放弦にはありません。
これがホ長調になると事情が一変して、主和音、属和音にまったく開放弦の音はなく、下属和音に1音(ラ)あるのみです。要するにホ長調の音階のうち開放弦はラの一音しかないということです。これはきついです。
ということでこの曲をニ短調調弦のままでホ長調で演奏するのは大変難しいです。ということで多くのリュート奏者はこれを一音上げてヘ長調で演奏しています。昔スコルダトゥーラ(変調弦)を使って演奏できるということを言っていた人たちもいました。具体的な調弦についてはちょっとうろ覚えですが、確か1、2,4,5コースを半音さげたものだったと思います。これなら確かにぐっと楽になります。この調弦は相対的には3コースと6コースを半音あげたものと同じです。今村編曲がヘ長調で3コースを半音上げてシのフラットにしているのはこの流れをくんでいるのかもしれません。
これがホ長調になると事情が一変して、主和音、属和音にまったく開放弦の音はなく、下属和音に1音(ラ)あるのみです。要するにホ長調の音階のうち開放弦はラの一音しかないということです。これはきついです。
ということでこの曲をニ短調調弦のままでホ長調で演奏するのは大変難しいです。ということで多くのリュート奏者はこれを一音上げてヘ長調で演奏しています。昔スコルダトゥーラ(変調弦)を使って演奏できるということを言っていた人たちもいました。具体的な調弦についてはちょっとうろ覚えですが、確か1、2,4,5コースを半音さげたものだったと思います。これなら確かにぐっと楽になります。この調弦は相対的には3コースと6コースを半音あげたものと同じです。今村編曲がヘ長調で3コースを半音上げてシのフラットにしているのはこの流れをくんでいるのかもしれません。