リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

オルガンコンサート

2007年09月03日 11時44分16秒 | 音楽系
バーゼルにいたときに一緒に勉強していたオルガンのKさんが名古屋でコンサートをするというので聴きに行ってきました。場所は名古屋・栄の愛知県芸術劇場コンサートホールです。このホールはもうそこそこ前に出来たホールで、なかなか立派なホールです。オルガンも設置されていますが、実はまだ聴いたことがなくてちょうどいい機会でした。

会場へは地下鉄から直につながっていけるようになっていまして、なんてこんなことをいうのは古い人間ですね。昔の栄の地下街はずいぶん変わりました。学生時代によく歩いた栄地下街の部分ももちろん残っていますが、新たにいくつかの道筋ができて、この芸術劇場にいくルートも新しく作られたものです。若い頃は目をつぶっていても栄の地下街が歩けたくらいですが、最近は目をよく見開いていてもどこにいるのか迷うくらいです。

会場に着くと、入場客がぞくぞく入ってきます。このコンサートは愛知県文化振興事業団の企画によるものですが、こういう立派なホールで演奏できるKさんはうらやましい限りです。生リュートであれだけの大きなホールで演奏する機会はないでしょうけど、1回くらいはやってみたいもんです。でもオルガンのフルストップでもまだ音圧を感じないような巨大な空間ではリュートを弾いても外で弾いているのとほとんど同じでしょうね。

Kさんの演奏は絶好調で共演のトランペットのSさんの好演と相まってすばらしいコンサートでした。プログラムは、前半はバロック音楽、後半は近代の音楽でしたが、いわゆるクラシック音楽ばかりでポップス系の音楽はまったくないですが、楽しむことができる曲ばかりでした。特にKさん自作の「ふるさとによる幻想曲」(「ふるさと」はあの有名な文部省唱歌です)はまるでオーケストラのようにオルガンが響き、すごくいい曲でした。客層は耳に入ってくる会話などからバロック音楽好きではなく一般のクラシック音楽愛好家の方たちのような感じでしたが、みなさんきっとKさんの演奏に酔いしれていたことでしょうね。

終演後はKさんと演奏助手(オルガンは必ず演奏助手が必要です)の方といっしょに名古屋名物のきしめんをご一緒していただき、懐かしい「昔話」に花が咲きました。