リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハのリュート作品(19)

2007年09月29日 10時58分06秒 | 音楽系
バッハの受難曲は、ヨハネとマタイが現存していますが、ルカとマルコは残っていません。マルコ受難曲は、カンタータ198番からのパロディがあるので、ある程度は復元出来るみたいで、実際コープマンなんかが復元して録音しています。その昔、70年代のはじめ、私がはじめて参加した古楽講習会(於静岡県御殿場市)のテーマが、その復元されたマルコ受難曲でした。

バッハはこれらの受難曲にリュートを使っています。もちろん通奏低音ではなく、独特のキャラを持ったオブリガート楽器としてです。通奏低音として使うのであれば、別にどの曲に参加してもいいわけですけど、バッハによって独特のキャラを与えてもらったリュートは幸せもんです。(笑)

一般に演奏されるマタイ受難曲では、リュートは出てきません。第57曲目のオブリガート楽器はヴィオラ・ダ・ガンバですが、これが初稿ではリュートになっています。昨年名古屋市のしらかわホールで、バッハコレギウムがマタイを初稿版で演奏しました。(リュートは今村泰典)いやぁこれは絶対リュートの方がいいですよ。ガンバ奏者に言わせたら、いやぁガンバですよ、ってことになるでしょうけど。(笑)