唯一のリュートのためと銘打たれている作品であるBWV995(組曲ト短調=無伴奏チェロ組曲5番ハ短調と同一作品)にしても、冒頭から低いソの音(コントラG)が出てきまして、この音はバロックリュートの最低音より1音低いです。昔(70年代)はまことしやかにコントラGを持った14コースバロックリュートが存在していたのだ、という人がいて、実際に14コースバロックリュートが製作されたりもしましたが、どうもそんなリュートは存在していなかったようです。この作品は「リュートのための」と書かれているし、テクスチュアは明らかに鍵盤楽器のそれとは異なるんですが、それじゃヴァイスの作品みたいにそのまま完全に何の変更もなしにリュートで弾けるかというとそれがだめなんですね。
要するに、奏者側から見るとバッハのリュートのためのソロ作品は、結局「編曲」をしなくてはだめでして、実際現代のリュート奏者たちはいろんな工夫(移調やバス音のオクターブ移動など)をして演奏をすることになります。ですから例えば無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌをリュート用に編曲するのと、リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロを「リュートのために!」編曲するのは、同じような作業ということになるわけです。というか、実際は弦楽器であるヴァイオリンのために書かれたシャコンヌの方が、鍵盤楽器的テクスチャを持つ「リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロ」よりリュートになじむという逆転現象?がおきています。何か変な感じでしょ?(笑)
要するに、奏者側から見るとバッハのリュートのためのソロ作品は、結局「編曲」をしなくてはだめでして、実際現代のリュート奏者たちはいろんな工夫(移調やバス音のオクターブ移動など)をして演奏をすることになります。ですから例えば無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌをリュート用に編曲するのと、リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロを「リュートのために!」編曲するのは、同じような作業ということになるわけです。というか、実際は弦楽器であるヴァイオリンのために書かれたシャコンヌの方が、鍵盤楽器的テクスチャを持つ「リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロ」よりリュートになじむという逆転現象?がおきています。何か変な感じでしょ?(笑)