リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハのリュート作品(17)

2007年09月25日 10時04分18秒 | 音楽系
1006aはヘ長調で弾く人が多いというのは前回書きましたが、ルツ・キルヒホフみたいにホ長調で弾くことにこだわる人もいます。ホ長調にこだわることにどういう意味があるのかはわかりませんが。(笑)ちなみに415ヘルツでヘ長調で弾くと440ヘルツのホ長調にほぼ聞こえるので、一般的にはリュートで1006aはホ長調で演奏されていると「誤解」されている可能性もあります。昨年モダン・ヴァイオリンとギターの人と1006aのガヴォットをコンサートのアンコールでリレー演奏する機会がありましたが、このときはなかなか都合がよかったです。

1006aの自筆譜は日本の武蔵野音楽大学にあります。どういう経緯でそこにあるに至ったかは知りませんが、70年代の初めにはすでにあったようです。70年代の初めにそのオリジナルのコピーを入手したかったので、武蔵野音大に問い合わせをしましたところ、誰か先生の紹介がある人か、学内関係者でないと断られました。ちょうどそのころ私はヨーロッパ中の図書館や博物館に手紙を書いて、オリジナルの楽譜のコピー(あるいはマイクロフィルムコピー)を買いまくっていました。どこでも手紙一本でコピーしてくれましたので(当時の東ドイツでは送金の苦労はありましたが(笑))、その武蔵野音大の方針には憤慨していましたが、現在では多分そんなことはないでしょうね。

さてそこでどうしたかというと、上手い具合に、ちょうど知り合いで武蔵野音大の学生の人がいてその人に頼んでちゃっかりとゲットしました。そのときのTさん、ホントに今でも感謝しています。(笑)